2021/10/31
我が身が高齢化してきたので、自分の物だけでなく父の遺品も整理しないと、と思って倉庫に入れていた段ボールの箱を開けると、なんと古い楽譜がびっしり。

Miiがバイオリンのレッスンを受けた時の楽譜や、小学校4-5年に通っていた朝日ジュニア・オーケストラのパート譜もありました。それに50年前大学の同級生に借りて返すのを忘れていた「バッハの無伴奏」も(笑)。


父は、Miiの子供の時の楽譜を大事に本棚に保管してくれていたようです

と、そういうMiiも息子がバイオリンのレッスンで使った楽譜を全部本棚に仕舞っています。結構な分量です。

しかし親がする事は同じだなあ‥(笑)。

<Miiの楽器で弾く息子>

 

さて段ボールから、モーツアルトの作品とされた「アデライデ・コンチェルト」(バイオリン・コンチェルト)の楽譜も発見しました。フィンガーリングなどの書き込みは小学生時分に習っていた先生のものですので、58年位前に使った楽譜でしょうが、すっかり忘れてしまっていました。

 

さて、この曲は1766年モーツアルトが11才の時に作曲された作品で、1933年に発見されたと発表されました。
フランス国王ルイ15世の長女アデライデに捧げられたとなっていますが、発見者と称するマリウス・カサドシュの贋作です。クライスラーの贋作騒ぎとまるで同じ。

1977年になって、カサドシュが著作権論争の最中に、この怪しい「モーツァルト作品」が真作ではなく、自分の贋作であることを法廷で認めました。


<バイオリニストのカサドシュ>

 

Miiの使った楽譜は1963年出版ですので、巻頭に曲の解説が長々と記載されていますが、全て大嘘だったわけです。

ところが、レコーディングにはメニューインなどの名バイオリニストがいますが、なかなか素敵な曲なんです。モーツアルトへの憧れが詰まった作品だと言えます。
騙されたつもり、じゃなく騙されて弾いてください。良い曲ですよ。

Miiなんかは、今日ネットで調べて、初めて贋作の事実を知りましたし‥(笑)。


Miitan
[No.685]