今回Vintage Standardsでは、Ursa Major SST-282 Space Stationを2台同時に修理しました。
初期デジタルリバーブの中でも独特な音像と構造で知られるこの機種ですが、発売から数十年が経過し、様々な不具合が発生しやすくなっています。
■ 故障症状
- リバーブが出力されない(エフェクト音なし)
- フィードバックが暴走し、非常に大きなノイズや発振音が発生
- 一部ユニットではドライ信号のみ出力、他は完全に無音
■ 修理内容詳細
1.
タンタルコンデンサの全数交換
メインボードおよびサブカード上の全てのタンタルコンデンサを新品に交換。
多くが高ESR化やリークの兆候を示しており、動作不安定の大きな要因でした。
2.
フラットケーブル・コネクタの交換
基板間を接続するリボンケーブルの端子が酸化し、接触不良を引き起こしていました。
新品の高品質コネクタに交換し、信号ラインの安定性を確保。
3.
カードエッジ端子の清掃とリフロー
挿し込み式基板の接点には酸化が見られ、機能断続の原因に。
全てのカード端子を丁寧に研磨・洗浄し、半田クラックの再加熱(リフロー)処理を実施。
4.
フロントパネルのポテンショメーター清掃
前面コントロール部の回転ポットはガリや操作不良が発生。分解洗浄および注油によりスムーズな操作性を回復しました。
■ 重大不具合の原因:リバーブ出力なし+大音量ノイズ
両機に共通していたメインのトラブルは、
リバーブが出ない+フィードバック回路から異常な音が出るという現象。
調査の結果、ADS-1基板上の74LS30ロジックICが故障しており、信号の制御系が一部機能していないことが判明。
このICを交換することで、正常なリバーブ信号の生成が回復し、ノイズも完全に消失しました。
■ 修理結果
全体的なオーバーホールと動作テストを経て、2台のSST-282は本来の美しいリバーブテクスチャーと柔らかいディレイ空間を完全に取り戻しました。
レンタル用・展示用・販売候補として、すでにスタンバイ済みです。
■ Ursa MajorやLexicon、Publisonなどの修理はお任せください
Vintage Standardsでは、初期デジタルエフェクターの修理・復元に特化しています。
ロジックICの不具合対応やリバーブモジュールのトラブル、完全なオーバーホールまで幅広く対応可能です。




