~致知2012年12月号 山口秀範さんのお話~




四肢切断の障碍を乗り越えた中村久子女史は、我が身を顧みて、「ある ある ある」という詩を綴っています。

さわやかな
秋の朝
「タオル 取ってちょうだい」
「おーい」と答える
     良人がある

「ハーイ」とゆう
     娘がおる

歯をみがく
義歯の取り外し
かおを洗う

短いけれど
指のない

まるい
つよい手が
何でもしてくれる

断端に骨のない
やわらかい腕もある
何でもしてくれる
短い手もある

ある ある ある

みんなある
さわやかな
秋の朝 
~致知2012年12月号 鈴木秀子さんのお話~




 私は近くの一軒の家に立ち寄らせていただいてお話を聞きました。そこには老夫婦と若夫婦が生活していて、ご家族の中には津波で亡くなった方もいらしたのですが、おじいさんは「こうして家に帰られただけでもありがたい。自分たちのいままでの生活は本当にすぎたものだったと身にしみて感じます」と話してくださいました。
 私はおじいさんに「この体験をどのように活かせるでしょう」と質問しました。すると「いま自分ができる最善のことは何かを注意深く考えることだと思います。毎日がその訓練です」とおっしゃるんですね。畑を耕すのでもいい、草を刈るのでもいい。いま一番やれることを考えて精いっぱいやっていけば、たとえ大きなことが起きても、いま自分にできることは何かがすぐに判断できると。

~致知 2012年12月号 玄侑宗久さんの言葉~


 
 ところが、放射能に関しては今回の事故をきっかけに分かってきたことがいろいろとあるんです。例えば内部被爆の生物学的半減期は従来、食べ物から摂取したセシウムが半減するのに三か月から四か月かかると考えられていました。しかし、いろいろと調べてみたら、大人と子供はずいぶん違う、男と女も違うということが分かってきたんですね。六歳の子供で半減期が一か月、一歳だと十日なんです。しかも女の子のほうが早く減ります。