さびしい話

当事業所に4ヶ月ほど滞在された方。
私どもでは長期のお受け入れは原則行いませんが、事情がある場合は対応させていただいており、この方については、東日本大震災の影響で長く滞在いただくようになりました。

お元気な頃はお仕事一筋だった方で一途・朴訥とした風で、自己主張もしっかりされるのですが、不器用なところがあり、時にはその自己主張が攻撃的・専横的に映ることもあり、対応に困ることもありましたが、周囲との調和を図りながら極力ご自身のやりたいことを応援するように接しました。

当事業所にいらっしゃる前は、ショートをはしごされていて、新しく開所した当事業所のことをCMさんから聞いて、ショートのひとつという感覚でのご利用をご家族は当初考えてらっしゃったようです。

しかし、当事業所でのご本人の姿を見て、それまでのショートさんとの違いを感じていただけたようでした。
ただ、当事業所では長期滞在をお受けしないという原則があり、大震災が過ぎてしばらくして落ち着いた時にショートステイへ移っていかれました。

その後、ご家族の念願かなって、長らく順番待ちだった特養に入所されたことを聞きました。それから約5ヶ月たった先日、久々にその方のお話をCMさん経由で聞きました。

「せっかく入れたけど、一日中、何するわけでもなくぼーっと過ごしているだけで。
歩行もおぼつかなくなってきて・・。
ここに入れて本当に良かったのかと思い悩みます」と。
当事業所に居たときが一番生き生きしていたとも。

当事業所がすばらしく、その特養がだめだという話ではありません。
さまざまなご利用者がいらっしゃって、それぞれの方のそれぞれのステージに応じて最適な施設や事業所が選択できるような柔軟性があればよいのですが、介護業界の実態としては、特養がかなり大きな受け皿としての存在を求められているがために、その入所者は、自立能力を持った方も、そうでない方とあまり変わらない画一的扱いを受けるということが起こりえる。
今回の話はそれが実際に起きたということ。
入所された特養の代替施設がなく、家族としては選択の余地がなく、今更退所することもできない。

数多くのご利用者さんがいらっしゃる中で、一事業所でやれることには限りがあり、様々の事業所がそれぞれの役割を果たしながら連携してソーシャルワークを果たしていくことが地域福祉に求められています。
とはいえ、今回のご本人をよく知っているだけに、あくまでも結果論ですが、当事業所がもう少し代替的機能を提供できれば良かったのかもしれない、という忸怩たる思いを感じてしまいます。