「英語で夢を叶えたい」中高生の女の子とお母様をサポートします

わたしには、二つの夢があった。
一つは「スチュワーデス」になること。
もう一つは、英語の先生になること。
二つの夢を抱いて過ごした学生生活。
まだ何者でもなかったわたしは、ひたすら目の前にあることに取り組んでいた。
大学四年生、二十二歳のとき。
進路を決める段階で、母校に教育実習に行った。
懐かしい、とはいうものの。
この高校を卒業して、わずか四年しか経っていなかった。
受け持ったのは、高校一年生。
中学を出てまもない、あどけなさが残る生徒たち。
でも、地元では一番の進学校。
学力も、学習意欲も高い。
新しい単語を教えるたび、辞書をめくる「ザザーッ」という音が一斉に響く。
わたしの一言で、ひとクラス四十数人の手が動く。
わたしが伝える情報が、そのまま彼らの中にインプットされていく。
怖かった。
期間限定とはいえ、彼らの人生の学びの一端を担うことに畏怖の念を抱いた。
放課後は、翌日からの授業に穴がないよう必死に準備を重ねた。
就職活動中ということもあり、多忙を極めていた。
だけど、いつも女子生徒に取り囲まれて帰れなかった。
共学校だったのに、なぜか女の子ばかりが集まってくる。
将来の話、恋の話、友達やおうちの人の話。
彼女らは、少し年上のわたしをお姉さんのように慕い、いろんなことを話してくれた。

実習のおわりに、総仕上げとして、単独で教壇に立つ模擬授業があった。
どの教科の教諭も実習生も、手が空いていれば自由に見学できたので、わたしは先に登壇する友だちの応援に行った。
同じ英語科担当だったので、参考にさせてもらおうと覗いた教室。
そこでは、恐ろしい光景が繰り広げられていた。
英作文のパートで答えを教えたとたん、
「この文章ではダメですか?」
「この部分をこう言い換えてもいいですか?」
という、生徒たちからの激しい質問攻め。
困って立ち尽くす友達の姿が、いまでも忘れられない。
英語の実力としては同じくらいの彼女。
身につまされる思いだった。
わたしはその夜、重箱の隅をつつくように、考えつく限りの質問を想定した。
そして、いよいよ自分の番がやってきた。
中学時代は、学年を代表して、府の英語暗誦大会に出場していたわたし。
ネイティブみたいに抑揚をつけて発音する人をからかうような風潮があった時代。
だけどわたしはやってのけた。
すべての英文に感情をのせて、臨場感たっぷりに教えた。
英作文も、質問が出ないくらいの数の例文を、黒板に書いて示した。
英文科の現役大学生としての、なけなしの矜持だった。
気づけば、廊下がギャラリーでいっぱいになっていた。
別の教科の教諭も実習生たちも、わたしの授業に拍手を送ってくれた。
模擬授業が終わったあと、英語科の教諭からこう言われた。
「素晴らしい授業だった!よかったら推薦してあげよう」
当時一つも企業から内定をもらっていなかったわたし。
ありがたいお申し出に、心が揺らがなかったわけではない。
だが、とっさに口から出た言葉はこうだった。
「わたしはまだ何も持っていません。生徒たちに自分を切り売りするだけの経験もありません。自分自身の目で、もっと世界を見たいんです」
英語を教えるという点において自信がなかったわけではない。
ただ、彼らの人生を未熟な背中に背負うことに怖気付いてしまったのだ。
そして、世界を見たいという気持ちは本当だった。
わたしは「スチュワーデス」になるため航空会社の試験を受けた。
だけど結果は惨敗だった。
その後、採用通知を手にするまで、二年の月日を費やすこととなる。

月日は巡り。
宣言どおり、わたしは世界を飛び周り、さまざまな知見を重ねてきた。
娘にこそ恵まれなかったが、一人息子は成人し、希望した外資系の会社で働いている。
わたしを慕ってくれた女の子たちは、いまごろ子育ての真っ最中だろう。
あのとき差し伸べられなかった手を、いまのわたしなら差し出せる。
英語はもちろん、夢を叶える方法や心のありようまで。
自分がこれまで培ってきたものを、必要としている人たちに届けたい。
あのころのわたしと同じように。
何者かになろうと頑張っている女の子たちの力になりたい。
わたしの人生における、三つ目の夢はそれです。
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