動物の一般的な病気に関する情報は諸先生方のホームページ上に氾濫しているため、このブログでは別の角度から動物の病気を攻略してみたいと思います。
(注意)なるべくコンセンサスの得られた情報を掲載するよう努めていますが、未熟な知識、誤った情報、ご意見、ご感想がありましたらご遠慮なく報告してください。

さて皆さんご存知の通り牛乳には乳糖が含まれています。しかし乳糖のままでは体内に吸収することができません。

乳糖→ブドウ糖+ガラクトース

とある酵素(乳糖分解酵素ラクターゼ)によって分解される必要があります。うまく分解されないと下痢するこいうことになります。
こんな文章だと寝てしまうおばさんが出てくると思う。
みのもんたさんに言い換えてもらうと
「おくさんねっ!”夫婦”である乳糖は浮気調査員”乳糖分解酵素ラクターゼによって”離婚”させられ”独身”であるブドウ糖となって小腸から吸収されるんだよっ」
もう少し解かりやすく言うと”太った”乳糖君は東京ドームの回転ドアに入ることが出来ず、”痩せた”ブドウ糖君になって入場することになる。
どうでもいいが東京ドームの周辺では入場制限された乳糖君が下痢している様子をイメージしていただければ混乱すると思う。
犬によっては”浮気調査員”である乳糖分解酵素ラクターゼが少ない(正確には活性が低い)場合があり、牛乳を飲むと下痢をしてしまう。ただし隣の家の佐々木ボブ君のようにたっぷり牛乳を飲んでも下痢しない犬もいる。

ついでにお酒に置き換えて考えてみた。

ビール→アセトアルデヒド→おしっこ

新橋で酔っ払っているおっさんの体内にはこのアセトアルデヒドが溜まっている。当方のようにお酒に弱い人はそれを分解するアセトアルデヒド分解酵素が少ない(正確には活性が低い)。話しが脱線してあさっての方向に向かっている。

私が言いたいのはこんなくだらないことではない。
犬乳に含まれる蛋白質や脂質は牛乳の2.5倍、猫乳では約3倍である。つまり犬からしてみれば牛乳では”薄い”のである。犬がどれだけ味覚を識別できるかは別として私がコップ一杯の水にカルピス原液を一滴加えて飲むようなものだろうか?。

生まれたばかりの仔犬に「栄養をとらせなきゃ!」って
牛乳をのませるのは間違っているということが解かる。牛乳を暖めても乳糖は変性しないし、うすめても乳糖はかわらないのでどちらも残念!と波田陽区に斬られると思う。
下痢どころか栄養的にも不十分である。もちろん我が子のためにと思う親の気持ちはよく理解できる。

個人的には良質(AAFCO”アメリカ飼料検査官協会”の基準を満たし、尚且つ給餌試験合格というラベルが貼られたドッグフードを薦めます)の子犬用ドックフードだけで十分だと思っております、はい。

最後までお付き合いいただいてありがとうございました。

<参考文献>
Res Vet Sci. 1997 Sep-Oct;63(2):133-8.