■がん 口腔内メラノーマの1例 寛解して約3年経過 #メラノーマ#食事療法#丸山ワクチン | まねき猫ホスピタル院長 獣医師・石井万寿美 ペットのいる暮らし

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小動物臨床をしている獣医師です。書くことが好きで本も書いています。自分の勉強したことを伝えて、少しでも世の中に還元できれば、こんな嬉しいことはありません。

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↑去年の ハロウィーン  写真は、飼い主さんからいただいています。
 
以前、このブログでご紹介したスーパーデーターを叩き出しているメラノーマのワンコさまのその後のご報告を。
 
(病歴)
H29年 10月頃 口腔内の異変に気がつく。
  (毎日、歯磨きをされるので)
H30年 6月 病理検査でメラノーマと判明(他院で)
H30年 10月 当院に来院 局部だけをレーザー蒸散で、メラノーマを取る
R2年  9月 寛解続投中
 
●悪性黒色腫(メラノーマ)
*メラノーマはメラニン細胞に由来する腫瘍
*口腔内(歯肉や舌)や粘膜に頻繁に発生するが、皮膚にも発生
*メラノーマは悪性度の高い腫瘍
*局所リンパ節そして肺に頻繁に転移
*発生部位そして臨床ステージにもよるが、 転移率は概ね80%
 
●メラノーマの予後
*メラノーマの予後は厳しい
*局所コントロールが可能な症例でも、転移(主に肺転移)により死亡
*外科手術のみの場合の平均生存期間は150−318日
*1年生存率は35%以下
*治療を行わなかった症例の平均生存期間は65日
 
というのが、標準治療で行った結果です。
 
●私たちの治療
*メラノーマをレーザー蒸散
*ルペオール
*丸山ワクチン
*食事療法
*サプリメント療法
 
いま飼い主さんがされている治療
*丸山ワクチン
*ルペオール
*食事療法
 
遠方の飼い主さんなので、数か月に1回ぐらい来院される程度になっています。3年以上寛解が続いています。