■脾臓 血管肉腫で脾臓を摘出したけど大丈夫?#血管肉腫 | まねき猫ホスピタル院長 獣医師・石井万寿美 ペットのいる暮らし

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小動物臨床をしている獣医師です。書くことが好きで本も書いています。自分の勉強したことを伝えて、少しでも世の中に還元できれば、こんな嬉しいことはありません。


脾臓の病気   血管肉腫などで、脾臓を摘出したもふもふちゃんもいらっしゃいます。


脾臓が無くても大丈夫なの?


と心配されますね。


答えは、生きていけます。


脾臓は、基本的に以下の2種類の組織からできていて、それぞれ異なる機能を果たしています。

    白脾髄(はくひずい)

    赤脾髄(せきひずい)

*白脾髄の役割

①感染に対する防御を担う器官系(免疫系)の一部です。

②リンパ球と呼ばれる白血球をつくっており、そのリンパ球は抗体(異物による侵入から守る特殊なタンパク質)をつくります。



*赤脾髄の役割

血液をろ過することにより、不要な物質を取り除きます。

②赤脾髄には、細菌、真菌、ウイルスなどの微生物を消化する食細胞という白血球が含まれています。

③血球の状態を監視し、異常があったり、古くなったり、傷ついたりして正常に機能しなくなった赤血球を破壊します。



脾臓を摘出すると、

①感染を防御する抗体をつくる能力が弱ります。

望ましくない微生物を血液から取り除いたりする体の能力がある程度失われます。

③感染に対する防御能力が低下してしまいます。



これらのことを他の臓器が、補ってくれます。


でもやはり、100%とはいかないので、感染症には、注意が必要です。


その辺りのことは、かかりつけ医とよくご相談くださいね,