前回は、大阪海上保安監部の巡視艇を見に行ったにもかからわらず、「ぱしふぃっく びいなす」に惹かれて、そちらの紹介をしました。
今回は本題の「大阪海上保安監部」の船艇を紹介します。
「大阪海上保安監部」の船艇は、水族館「海遊館」の隣、「大阪文化館・天保山(旧サントリーミュージアム)」の海側にある「マーメイド広場」に隣接した桟橋に係留されています。
令和2年5月30日・大阪海上保安監部の桟橋
大阪海上保安監部にもPLやPMなどの大型の巡視船は配備されておらず、巡視船「かつらぎ(PS-109)」が最大です。
巡視船「かつらぎ(PS-109)」は、日立造船神奈川工場で建造され平成5年3月に竣工、「のばる」と命名され第十一管区の宮古島に配属されます。
平成23年4月に先代「かつらぎ(PS-104)」の解役に伴い大阪へ転属し「かつらぎ」と改名されました。
【要目】
総トン数:114トン、船質:軽合金、全長:35.0m、幅:6.7m、深さ:3.4m
機関:ディーゼル×2、推進装置:ウォータージェット×2
出力:5,3000馬力、速力:35ノット、最大登場人員:10名
兵装・127mm単装機銃×1
※引用:「世界の艦船」No.881、2018年7月、海人社、P.68
巡視船「かつらぎ(PS-109)」
(引用:「大阪海上保安監部」HP、https://www.kaiho.mlit.go.jp/05kanku/osaka/)
令和2年5月30日、「かつらぎ」はこの桟橋におらず3隻の船艇がいました。
1隻目は「よどぎく(CL-08)」です。この船は「はやぎく」型巡視艇の2番艇で、当初は「灯台見回り船」として木曽造船で建造され、平成13年3月に竣工、「みちひかり(LS-234)」として就役します。
平成20年4月に巡視艇に用途変更され「よどぎく(CO-08)」と改名されました。
【要目】
総トン数:27トン、船質:高張力鋼、全長:20.0m、幅:4.8m、深さ:2.3m
機関:ディーゼル×2、推進軸:2軸
出力:1,8000馬力、速力:25ノット
※引用:「世界の艦船」No.881、2018年7月、海人社、P.79
令和2年5月30日・停泊している巡視艇「よどぎく(CL-08)」
2隻目は巡視艇「てるぎく(CL-165)」です。この船は大量建造された「ひめぎく」型巡視艇の1隻で、長崎造船で建造され、平成22年3月に竣工し大阪に配備されています。
【要目】
総トン数:23トン、満載排水量:19トン、船質:高張力鋼、全長:20.0m、幅:4.3m、深さ:2.3m
機関:ディーゼル×2、推進軸:2軸
出力:1,820馬力、速力:30ノット、最大搭載人員:5名
※出典:「世界の艦船」No.881、2018年7月、海人社、P.83
令和2年5月30日・停泊している巡視艇「てるぎく(CL-165)」
以前に紹介した堺海上保安署の「しぎかぜ(CL-22)」と同型ですが、船体の塗色が異なり、また竣工も15年以上の差がありますので、別の船に見えますね。特に「てるぎく」には電光掲示板式の停船命令等表示装置が装備されているので、余計にそう見えるかもしれません。
3隻目は監視取締艇「ねぷちゅん(SS-53)」で、「おりおん」型26隻の3番艇としてヤマハ発動機で建造され、平成6年3月に竣工し大阪に配備されています。
【要目】
総トン数:5トン、船質:FRP、全長:10.0m、最大幅:2.7m、深さ:1.5m
機関:ディーゼル×2、推進軸:2軸
出力:600馬力、速力:40ノット
※出典:「世界の艦船」No.881、2018年7月、海人社、P.89
令和2年5月30日・停泊している巡視艇「ねぷちゅん(SS-53)」
堺に配備されている「とりとん(SS-44)」より一回り大きく高速を発揮できます。
ちなみに、この桟橋の隣には大阪水上警察署があり、その桟橋もあります。
令和2年5月30日・大阪水上警察署の桟橋
右の船は「なにわ」、左の船は「かつらぎ」です。ここにも「かつらぎ」が…。
このあと、2週間ほど前にサノヤス造船のドックに入渠していた「おきなわ(PLH-06)」の様子が気になったので、そちらに回ってみました。その様子は次回紹介します。