今年は私のような妙齢の方々もいらっしゃる。
アグリツーリズモを営むシニョーラは、冬季の間、宿を閉め、数ヶ月間ジュエリー学校でのクリエイティブな時間を過ごしている。
「なんて楽しいの。このままずっとここで過ごしたい!」
彼女は同時進行で、ものすごい数の作品を作り続けている。
「今月末で、帰らなきゃいけないのが、残念。」
とこぼす。
私も彼女同様に、時間を惜しんで作業に勤しみ、目をまん丸に見開いてリッカルド先生が皆に教える様子を凝視する日々。
かたや、私の子供とさして変わらぬ年齢の若者たちも多い。
南アメリカからの留学生は、ヨーロッパまで留学して、しかも決して安いとは言えないジュエリー学校に入っていると言うことだけでも
その家庭はかなり裕福なはずだ。
そのかなりという度合いは、日本人の感覚とは異なることが、
長くイタリアに住んできて感じたことだ。
そういうお嬢ちゃん、お坊ちゃんで、クリエイティブなことに情熱をかけているのであれば、
話は分かるが
時々、何にもやる気のないタイプがいたりする。
そういう子を見ると
「親は何かしらのことを身につけてもらいたいと思いながら、こういう場に送り込んでも、あんまり意味がないのだろうなぁ。」
勉強がダメならば、手に職を!或いは芸術方面にでも没頭してくれれば!という思いが空回りしている。
これは、大学でも同じこと。
結局そこで、興味があることを見つけて深く掘り下げていければ良いけれど、
そうでない学生が大半かもしれない。
実際自分を振り返ってみても、そこで将来につながる何かを見つけたかというと疑問がある。
毎日のことを楽しく忙しくこなしていたが、授業に対して、深くのめり込むことはなかった。
日本文学を学び、面白そうなところには顔を出してはいたが、
全て表層的で深く掘り下げるということをしなかった。
というか、できなかった。
勉強以外の学生生活が楽しすぎたのだ。
これはイタリア留学初年にも言えること。
6年間働いて、自分の将来にもぼんやりとした不安がある中での思い切った留学だったが、
太陽が優しく照らすイタリアの青い空の下で、いっきに弾けて、
伸びきったゴムみたいになってしまった。
現在、素晴らしい結果を出している方々は、その頃、時間とお金を惜しんで彫金技術の習得に励んでいた。
私はその頃、久々の自由が楽しくて、あまりその先を考えずに楽しむことを優先させて
過ごしていた。
貯めてきたお金もあっという間に消え失せた。
そこから本気になった。
かなりのスロースターターと言えるだろう。
私は、今ジュエリー学校で目にしているこの生徒のことを、決して否定できない。
自分の中にも彼と同じ側面があったではないか?
だから、彼の中に何もやる気がない!
と言い切ってしまうことには語弊があるのかもしれない。
全ては無駄ではない。
私のように、途中から本気になるのかもしれない。
ならないかかもしれない。
そして、親の心子知らず
である。
それでも子供は幸せになる方法を知っている。
自分で見つけていける。
彼を見ながら、昔の自分、そして親としての自分の視点から見つめながら、深く感じ入った。
みんな幸せにつながる道を歩んでいけますように。
それでは皆さん、今日も最後まで読んで下さり、ありがとうございました
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