中学受験に挑むにあたって、親が子供の勉強を見ること、教えることについて感じたメリット・デメリットは以下のとおりです。

 

【メリット】

①子供の真の実力やくせ、弱点がよくわかる

 

これが一番大きいですかね。偏差値だけでは推し量れないことが色々と見えてきます。受験でとても重要なことは苦手な分野を減らすことだと思いますが、実際に子供が問題を解く過程まで見ることで修正すべきポイントが如実に見えてきます。

特にうちの場合は6年生夏の時点で算数が弱く、克服が必要な状況でしたが、膨大な算数の範囲の中には得意な分野と苦手な分野がはっきりと分かれていました。苦手な分野については塾のテキストだけでなく、市販の問題集を購入して徹底的に演習課題を与え、秋口までには基礎的なことは理解できるようにしました。

塾の先生が優秀とは言え、100名単位で教え子を持っていると考えると、1人の生徒に対して深く分析し、的確なアドバイスを与えることは現実的には難しいと思いますので、父親である私が代行することは有意義だったと思います。

 

②子供に緊張感を与えられる

 

塾に預けっぱなしだと、その時間に理解できたこと、できなかったことを把握することが難しいです。我が家では塾で習ってきたことや、間違えた問題などを家に帰って私に解説するという課題を与えていました。これによって、子供は得意な問題だけこなして、「わからない問題はいいや」ということにならず、真剣に先生の説明を聞く姿勢ができたかと思います。受験期間中は私は子供から結構怖がられていましたので、子供は緊張感を持って授業を受けてきたのではないでしょうか。

 

③楽しい

 

一緒に算数の問題を解いたり、社会・理科の内容を覚えたりするのが単純に楽しかったです。

 

④子供とのかけがえのない濃密な時間を過ごせる

 

おそらく子供にとっては邪魔なだけの存在であった私だと思いますが、私自身は最も息子と一緒の時間を過ごすことができた約半年間でした。叱ることが多かったことは反省点ですが、本当に真剣に子供のことを考え、ともに喜び、ともに苦しむ時間はかけがえのないものだったと思います。実は私自身が中学受験生だった時、私の父親に同じようにつきっきりで勉強を見てもらい、志望校合格という結果を得ることができたという体験をしており、その時の辛さや合格の時の喜び、親への感謝の気持ちをずっと持ち続けています。将来我が子が同じように思ってくれたらとても嬉しいですね。

なお、息子が中学に入学し、スマホを与えてからはめっきり親子の時間は無くなりました。

 

【デメリット】

①とにかく疲れる

 

肉体的にも精神的にも疲れます。特に秋以降は精神的にかなり疲弊します。これは受験生の親であれば皆さん同じかと思いますが、自分の責任で我が子を指導していると更にプレッシャーが大きい気がします。また、子供が寝た後に問題の分析や翌日以降の課題を考えたりするので睡眠時間は激減します。

 

②夫婦仲が険悪になる

 

我が家のケースでは、嫁さん的には私のような30年前の価値観を引きずる素人が教えるより、塾の方針に従うのがベストと考えていたので、最初は私が教えることに懐疑的でした。なので何度か夫婦間での衝突があり、そのたびに家庭内に不穏な空気が流れました。当時の私としては、「とにかく口をはさまないでくれ」という思いが強かったです。

 

③子供に嫌われる

 

まぁ当時は嫌われてたでしょうね。でも受験が終われば元通りです。

 

④子供の主体性が育まれない

 

私が勉強をみるようになってからは、とにかくガチガチにレールを敷いて、子供にはそのレールの上を歩かせる生活になったため、子供が自ら考え、行動するという成長の機会は奪っていたと思います。それ自体はデメリットで、中学生になった今も勉強の仕方がわかっていないと感じますし、自分で判断することが弱いなと思います。

ただ、成長の機会は受験期だけではないですから、中学校・高校の生活の中で養っていってほしいなと思っています。

(とはいえ、私自身が未だに生活や勉強について口を出してしまう癖が抜け切れてません)

 

 

とまぁ受験から1年が経って思い返していますが、やはりメリットの方が大きかった気がします。

 

 

続く