普段、なぜ俺を選んだかを語る女はそんなに多くない。
恐らく彼女達なりに“惚れた”という感情を素直に伝えるのは勇気のいることなのだろう。


だがその女は、惜しげも無く自分の気持ちを披露してきた。
出会いから俺と関係を持つまでに抱いた感情を素直に。



こういう女は、嫌いじゃない。


素直に伝えることの裏には、
逆に俺がなぜ彼女を選んだのかを知りたいとか、
この関係を遊びで終わらせるつもりはないことの意志表示だったりするわけだから、
俺からしてみれば手間のかかる女だ。


だがそういう攻撃的な姿勢を見せる女は、
ただ愛されることを待っているだけの女よりもよっぽど刺激的で爽快だ。




「あたしのこと、一回も褒めなかったでしょ?
なんかそれが新鮮で、この人なに考えてるんだろうって思って、
好きになっちゃった(笑)」


俺は普段から女性と相対するとき、
まずその女性を褒めることをしない。


正確に言えば褒めているのだが、
それは人として認めるだけ。
または俺以外の第三者が、女としての価値を認めていることを認めるだけ。


つまり俺自身、直接的にその女性の価値の高さを伝えることはまずしない。



俺にとっては当たり前のスタンスだったが、
彼女にとってはこれまでの男との大きな違いだった様だ。


それは俺が思っている以上に、女を褒める男が沢山いるということだ。



「いままでの男はみんな、褒めてきた。
でももう、またか・・・って思っちゃう。」



確かに褒めることにより、女は悪い気はしない。
その言葉に感謝もしているだろう。


女を落とすならまず褒めろ、という教えもあるのだから、
それを極めた方法もあるんだと思う。


ただ俺からすれば、“褒めない”男の方がまだ希少価値が高い。
そう思っているだけのこと。


彼女はその結果だ。



でも、褒めなければ必ず興味を持ってくる、と言えばそれは嘘になる。


“褒めてくる男”に慣れている女もいれば、
“褒めない様にしている男”に慣れている女だっている。
もしくは全く逆に、普段“褒められる”ことがない女だっている。


何よりも、そもそも俺の何かに興味を持っていない限り、
“褒めること”も“褒めないこと”も効果を発揮することはないからだ。



そういったカラクリが分かれば、あなたはそれぞれのシーンで
自然と正しい行動を取る。


それらはどちらかというと正しいテクニックではなく、正しいメンタルだ。


正しいメンタルによりあなたは自然と正しい行動を取り、
女は勝手に、あなたという存在に違いを感じるのだ。




以上、


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