「人類はなぜ肉食をやめられないのか」 マルタ・ザラスカ

 

ベジタリアンは増えている印象を受けるが、アメリカで行われた調査によると、3~6%は自称ベジタリアンだが、そのうち60%は24時間以内に肉を食べたことが明らかになった。つまり本格的なベジタリアンはわずか1.6%ほどである。純粋なビーガンは本当に少ない。

途上国のヒンドゥー教やイスラム教の人たちが、どんどん肉を食べだしている。

今後もどんどん増えると予想されるが、全員の胃袋を満たすには地球が足りない。

 

 

地下水の不足はすでに起きており、今後10年間で世界人口の半分以上が水不足に直面する

地球の耕地の33%が家畜の飼料栽培に使われている

アメリカでは収穫された全国類の60%を家畜が食べている

2050年の世界人口と予測される93億人が全員アメリカ風の食事をしたいと望むなら、地球があと半分必要になる

 

 

温暖化ガスの14.5%が家畜に由来する

地球温暖化を防ぎたいなら、肉の消費を抑える必要がある

何の手も打たないならば、今世紀末までに平均気温が最大7度上昇する

温度2度分の上昇を防ぐ見込みを確保したいなら、肉の消費を減らさなくてはならない

肉や乳製品から摂取するカロリーの少なくとも75%を、穀類や豆類のカロリーで置き換えるべきだと科学者は言う

私たちは、フレキシタリアンに、速やかに移行しなくてはならない

 

しかし肉は非常に魅力的で、我慢することが難しい。タンパク質と脂肪という、人間がおいしさを感じるものを備え、また文化的にも権力や男らしさ、仲間との協調を象徴するものである。食肉業界の宣伝や、補助金などの政治への力も強大で、私たちにもっと肉を消費させようと知恵を絞っている。そのため、代替肉が注目されている。植物から作る模造肉、ビーカー内で培養される肉、昆虫食などだ。

 

ベジタリアンとそうでない人が敵対するのはやめよう。ベジタリアンがたまに肉を食べたからと言って批判するのはやめよう。ベジタリアンはフレキシタリアンになることができているのだから。しかしまた肉を食べるからと言ってベジタリアンでない人を批判するのはやめよう。肉の魅力は抗いがたい。

 

一人の人が肉を一切断つのと、数百万人が月に一度、肉中心の食事を一回だけやめるのと、どちらの方がより多くの生命を救うのか、気候変動の目標達成に貢献できるのか。

 

肉を食べない日を設ける活動をしよう

 

 

人間は歴史的にこれと同じ栄養転換を行ってきた。肉を食べることで生活を脅かされる場合に肉をタブーにしてきた。