静岡地裁浜松支部
平成29年5月10日(水)
3号法廷
静岡県迷惑防止条例違反
被告人(男性44才どこにでもいそうなおじさん)
裁判長(女性30代横江麻里子裁判長)
検察官(男性40代)
弁護人(男性30代)
刑事裁判傍聴ノンフィクションライターのacceleです。
超久しぶりに傍聴へ行きました。
1年間もブログ放置していたのですね。
今後は月に1度くらいは、傍聴へ行けるかもしれませんので、2か月に1度の更新を努力目標にいたします。←(本当かな??)
久しぶりの公判でいつもの下手くそイラスト描く余裕なく、浜松支部の画像です。
読者さんの中には、acceleとうとうやらかして、シャバから姿を消したと思っていらっしゃる方もいたかも知れませんが、元気でしたよ!
この日は、振替休日で暇になり車で浜松支部まで行っていきました!
タイトルでお察しの通り、痴漢で捕まった被告人の公判です。
検察官の起訴状朗読
検察官が証拠によって証明しようとしている公訴事実は、平成29年3月23日午後1時30分頃、浜松市中区の路上において被害者〇〇さん女性36才の臀部を服の上から左手で触り、直後に直ぐ近くを一緒に歩行していた〇〇さん女性37才の臀部を服の上から左手で触った。
罪名、静岡県迷惑防止条例違反。
以上の審理を関係カード記載の証拠取調べ請求いたします。
なんとこの被告人、平日の真昼間に浜松市中区と街中で2人一度に女性のお尻を触った大胆不敵な犯行です。
しかも、被告人の住所も中区と自宅の近くで犯行に及んでいます。
自宅から遠ければ良いのではありませんが、呆れますよね。
この後の冒頭陳述で分かるのですが、園児を数人引き連れて歩いていた保母さんが被害者です。
園児が見ている前で、おっさんにお尻を触られて被害者は怒り心頭ですよね。。。
お気の毒です。
罪状認否では「間違いありません」
検察官からの冒頭陳述
被告人は、愛媛県で出生し、高校卒業後海上自衛隊、派遣等で稼働していた、逮捕時は介護職員として働いていた。
婚姻歴はあるが離婚後は、中区で単身で住んでいた。
平成17年に迷惑防止条例違反で懲役8月執行猶予3年、住居侵入等前科3犯である事。
被告人の性癖として臀部に異常に興味があり、前回の公判もお尻を触った痴漢行為である。
犯行当日、被告人は車でコンビニへ買い物に行く途中ですれ違った、園児を連れて歩いていた被害者二人を発見し、お尻を触りたい衝動にかられて、車を近へ停めて歩いて被害者に近付き、被害者とすれ違いざまにAさんのお尻を服の上から左手でなでた、続けてBさんのお尻を左手でなでた。
被害者は直ぐに警察へ通報して、駆けつけた警察官に現行犯逮捕された。
真昼間にこの被告人、何をやってるのでしょうか?
お尻を触りたくなる気持ちはわかりますが、見ず知らずの女性はダメでしょ!
私も自分の娘のお尻を、いやらしい気持ちは微塵も無いのですがついつい触って怒られて蹴飛ばされています。
そして、その行為を嫁に見られて白い目で睨まれています。→(最低おやじ)
私も、被告人と紙一重かも?
あっ、知らない人のお尻はもちろん触りませんよ!
証拠調べ
甲号証
1..犯行日時、逮捕した際の職務質問内容の捜査報告書
2.写真撮影報告書(犯行現場)
3.被害状況を目撃した状況を証言内容
4~5.被害者供述調書(園児の目の前でお尻を触られて、嫌な気分でした。犯人は厳罰に処罰して欲しい)
6.実況見分調書(被害状況を再現した写真撮影報告書)
乙号証
1.被告人の身上経歴
2.被告人の性癖について、お尻大好きなお尻フェチである事
3.犯行動機、仕事や教会の活動でストレスが溜まっていた
4.?
5.戸籍
6.犯歴
7.前科内容
8.前回の公判内容
弁護人からの証拠請求は弁1.上申書、弁2.謝罪文
被害者へ宛てた謝罪文は、被害者の怒りが収まらずにまだ、受け取ってもらえて無いようです。
被告人質問、先ずは弁護人からです。
弁護人:起訴内容は認めますか?
被告人:はい
弁護人:あなたの資産状況についてお聞きしますが、貯金はありますか?
被告人:銀行に10万円くらいです。
弁護人:借金はありますか?
被告人:車のローン100万円くらいあります。
弁護人:他に借りているお金はありますか?
被告人:ありません。
弁護人:今回短絡的に起こした行動で、被害者へ不快な思いをさせていますが、なぜこのような事をやったのですか?
被告人:仕事のストレスが溜まって、知らない女性を触りたい気持ちが抑えられませんでした。
弁護人:ストレスだけで知らない女性を触りませんよね?
被告人:生まれてから、女性に対するコンプレックスがあって自分の事を卑屈に思う事があります。
弁護人:仕事のストレスは具体的にはどの様な事ですか?
被告人:人間関係で上手くいかず、イライラしていました。
弁護人:教会の手伝いやられていますね?
被告人:教会でも、挨拶が出来なかったりで、人間関係に悩んでいました。自分は劣等感と言いますか人付き合いが苦手ですから。
風俗とかで発散ばかりしていました。
弁護人:劣等感とは?
被告人:過去を振り返ると、母親の病などありそのせいではないとは思いますが、人付き合いが上手くいきませんでした。
弁護人:あなたはストレスを受けると臀部に触るのですが、ストレスがなぜお尻触る事につながるのですか?
被告人:そうする事で落ち着くと言いますか。自分勝手な事は分かっていますが・・・
弁護人:2人の被害者に対して今の気持ちはどのように思いますか?
被告人:仕事中に、身勝手な自分から園児もいたのに本当に申し訳ない気持ちです。
弁護人:被害者は今後もね、あなたと似たような背恰好した男性を見ると、恐くなったりしますよね?
被告人:男性不信にさせてしまったと思います。
弁護人:これまでも、痴漢や住居侵入の罪で裁判受けていますよね?その時も、2度と悪い事はしないと誓ったと思いますがどうですか?
被告人:2度としないと言いました。
弁護人:今度捕まると刑務所に行くと考えなかったのですか?
被告人:捕まった時に思いました。
弁護人:社会へ出た後は、今の住居に住むつもりですか?
被告人:はい
弁護人:仕事は今のを続けられるのですか?
被告人:解雇になると思いますから、探します。
弁護人:人間だれでもストレス有りますよね?ストレスを受けたらまたお尻触るのですか?
被告人:精神科へ通院します。
弁護人:私からあなたへ、自分だけでは防げない事ですから精神病院教えましたよね?そこへ行く意思はありますか?
被告人:はい、行きます。
弁護人:お尻以外の解消法はなにかないのですか?
被告人:趣味がありますから、それをやります。
弁護人:社会復帰後は、病院へ行く事、ストレスは趣味で解消する事出来ますか?
被告人:はい、病院へ行きます。
世の中には、被告人のような大バカ野郎がいるからビックリです。
私にも年頃の娘がおり、心配になります。(てっ、お前が言うな!ですよね^^;)
検察官からの被告人質問
検察官:あなたはこれまでに何回検挙されたのですか?
被告人:5回目です。
検察官:住居侵入は何しに入ったのですか?
被告人:お母さんと子どもと2人で住んでいて、服とかそういうのを探しに入っていたら、お母さんが帰ってきて鉢合わせになりました。
検察官:服や下着への性癖があるのですか?
被告人:いえっ・・・今はそうでもないです・・・
検察官:職場の病院でも、同僚のお尻を触って警察の取調べを受けていますよね?
被告人:はい。
検察官:その時は被害者の方が、被害届を取り下げて起訴はされなかったのでが、何度もこういう事を続けて自分の力では止める事は無理なのはわかっていますか?
被告人:はい
検察官:単身で見守る人もいない状況で、今後の事も心配ですが相談する友人知人はいないのですか?
被告人:いいえ、今後は友人にも相談したいと思います。
検察官:被害者の方に反省文を受け取ってもらえて無いのは、知っていると思いますが、なぜかわかりますか?
被告人:身勝手な自分がした行為を許せないと思います。
検察官:被害者は、街を園児と歩いている時に被害に遭って、不安が消えずにいますよね?
被告人:はい
検察官:社会復帰後も教会へは行くのですか?
被告人:今の教会へは行けなくなるので、別の教会へ行くつもりです。
次に、女性裁判長からの被告人質問です。
裁判長:裁判になってない、病院で2人の女性お尻触った件ですが、被害者と話し合いで解決したのですか?
被告人:病院の件は警察で取調べられましたが、被害者の方も警察沙汰になると、話が大げさになるしとか世間体とかで被害届は出さなくしたと思います。
裁判長:被害届を出さなかったのは、示談とかお金で解決した訳ではないのですか?
被告人:はい、お金とかは払っていません。
裁判長:警察で取調べ後に、身元引受人が必要でしたが、教会の方に引き受けてもらいましたか?
被告人:はい。
裁判長:病院でもそうですが、なぜあなたは女性のお尻を触るのですか?
被告人:触られると女性は気持ちよくなるとか、感じると思っていましたが、捕まってからは女性が不快になる気持ちが分かりました。
裁判長:今回初めて気付いたのですか?
被告人:触られた側の気持ちが、どれだけ傷付けるか分かりました。
裁判長:被害者の方は謝罪文も受け取らないのは、怒りが収まらないからですよね?今は被害者の方へどう思っていますか?
被告人:身勝手な自分のせいで、気分を悪くして申し訳ないです。生まれ変わったら2度とこなんな事はしません。
裁判長:あなたは今まで、全て不健全に生きているわけではないですよね?健全でいた頃が、本当の姿だと思いませんか?
被告人:はい思いますが、何度も逮捕されて感覚がおかしくなったと思います。
裁判長:教会の女性と仲が悪くなったのはなぜですか?
被告人:コミュニケーションがとれなかったり、挨拶ができなかったりで・・・・罪を償うために通っていたのですが・・・・
裁判長:挨拶しないとはなぜですか?挨拶ぐらいできますよね?
被告人:女性に対して劣等感があり、目を合わせられなくなります。
裁判長:劣等感とは具体的にはどのような事でそうなるのですか?
被告人:私に対する態度が悪いし、嫌われていると感じて会話もしなくなります。
裁判長:教会の男性とも挨拶しないのですか?
被告人:挨拶は出来ましたが、妬みや嫉妬で仲良くはなりませんでした。
『ここで、裁判長は被告人の供述調書を読んで30秒ほど沈黙の後に』
裁判長:あなたは牧師になりたいのですか?
被告人:はい
裁判長:仮に牧師になって、あなたに悩みを相談する人が、お尻を触りたいと言って来たら、あなたは何て答えるんですか?
被告人:自分が、そうだった経験を・・・私みたいになるからと・・・・
裁判長:あなたが止める事が出来なければ、相談にものれないんじゃないですか?
被告人:はい
裁判長:あなたはこれまで生きてきて、悪い事をしていない頃もあったはずですよね?どこかの時点で不健全になったか思い出して健全な生活できるようになれますか?
被告人:はい
この被告人、愛媛県出身で高卒後は海上自衛隊で働いて結婚し、幸せに過ごしていた時期もあったと思います。
裁判長は、その頃のあなたを思い出して改心して欲しいと願っているのでしょうね。
それにしてもこの被告人、牧師志願とは頭の中どれだけノー天気なんでしょうか?目が点になりましたよ。
論告
事実関係については当公判廷で取調べ済みの関係各証拠により証明は十分である。
日々のストレスでの犯行動機は、酌量の余地はありません。
日中に園児の前で、お尻を触られた被害者の嫌悪感は相当である。
過去にも同種前科があるにも関わらず、犯行に及び再犯の可能性が高い。
被告人の性癖によるものであり、自分自身で制止するのは困難である事。
諸般の事情を考慮し相当法条適用の上懲役6月求刑します。
弁論
被告人は、一般市民に対して多大な迷惑をかけた事は事実であり、それを弁明する事は出来ませんが、被告人にも酌むべき事情があります。
仕事で人間関係に悩み苦しんでいた事。
通っていた教会でも、人付き合いが上手くいかずにストレスが溜まっていた事。
今後はストレスを趣味に没頭し、2度としないと誓っている事。
悩みを友人へ相談するなど、ストレスを抱え込まないようにする事。
精神科へ通院し、治療を受ける事を誓っている事。
寛大な判決をお願いします。
最終陳述
私のような身勝手な者から、被害者に迷惑かけて申し訳ありません。
誘惑に負けて罪を犯した事を反省しています。
今後は健全な社会人になる事を誓います。
また、犯罪したらいかなる処分でも受けるつもりです。
次回判決期日
平成29年5月24日9:50~
今回、実刑は免れないでしょね。
男の私から見れば、被告人の気持ちは分かります。
女性が読むと嫌悪感に思うかもしれませんが、世の中には風俗とかで欲望やストレスを発散できる施設がありますから、上手く利用すれば何の落ち度もない一般の女性に危害を加える事は無くなると思います。
合意も無く、女性に手を出すのは犯罪である事を、真摯に反省して欲しいと思います。
被告人も分かってはいると思いますが、止められないから法廷に立っているんでしょうけど。。
弁護人も言っていましたがやはり、病気としか思えません。。。
以上です。