ハローキティ(Hello Kitty)は、株式会社サンリオ
でデザインされたキャラクターグッズ用キャラクター
群。
主人公、キティ・ホワイト(Kitty White)は、擬人化
された白い子ネコ
で、左耳の付け根にリボン、またはそれに類する飾りをつけているのが特徴。サンリオを代表する長寿キャラクターである。通称は「キティちゃん」。
来歴
キャラクターとしての開発は1974年
で、公式にはこの年が誕生年になっているが、初号グッズの販売は1975年
3月である。最初のグッズはビニール製のがま口
「プチパース」であった(当時の定価は240円)。以前はサンリオ社内にも残っていなかったが、顧客が所持していたプチパースをサンリオに寄贈したため、これ1個のみが現存し、展示されている。プチパースは1度だけ限定で復刻販売された。 なお2007年12月26日
、日本テレビ系爽快情報バラエティー スッキリ!!
にて1975年
当時発売されたプチパースの現物がスタジオにて紹介されている。
最初期は名がなく暫定的に「名前のない白い子猫」などと呼ばれ、1975年頃に『鏡の国のアリス
』に登場する子猫にちなみ[3]
「キティ」という名が付けられた。「キティ」の名の由来については、『不思議の国のアリス
』に登場したアリスが飼っていた猫の名前に由来する[4]
とされることもある。キャラクター名の姓「ホワイト」は、後の設定変更で付け加えられたもの。
初期のグッズに描かれたキティは座ったポーズを取っているものしかなかった。1977年に初めて立ったポーズのグッズが発売された。
2004年7月8日
、若い女性の間でのペットブームを背景として、キティが飼っているネコとハムスターという設定のキャラクター、チャーミー・キティとシュガー
が発表され[5]
、翌年にはチャーミーの妹のハニー・キュートが発表された[6]
。キティは擬人化されているとはいえ、猫が猫を飼っているということになる。サンリオではチャーミーはキティとは独立したキャラクターとして位置づけられている。チャーミー等が「飼い主」のキティと同じ商品に登場することはほとんどないが、『いちご新聞』2004年11月号(441号)の表紙ではキティがチャーミーを抱きかかえている。
1993年、キティの幼少期という設定のシリーズ「ベビーキティ」でキティのボーイフレンドのダニエル
が初登場。1999年に成長した姿が登場した。1999年以降、ディアダニエル(Dear Daniel)として、独自の展開が行われている。
1998年には、キティの友達のキャシーの姉という設定の「デイジー」と、同じくキティの友達のトーマスのいとこという設定の「コロ」のキャラクター、「デイジー&コロ」(Daisy & Coro)が発表され、同年9月からキティとは別に商品展開を開始した[7]
。
キティは、ユニセフ関連の役職に日本国内限定のものも含め、過去3回就いている。1度目は1983年
、米ユニセフのジュニア・アンバサダー(子供大使)に任命された。2度目は1994年
、日本ユニセフ協会の子供親善使節に任命された。3度目は2004年
、期間限定でユニセフ
の、「子供たちの特別な友達」に任命された(サンリオでは親善大使と表記。期間限定のため、期日満了の2004年11月1日に退任)。
2004年7月31日から、生誕30周年を記念してキティをモチーフにした作品の展覧会KITTY EX.(キティ・エックス)が全国各地で開催されている。
2008年5月から、国土交通省
の中国・香港観光親善大使に任命されている。
キティブーム
実際にキティの人気が最も低迷していたのは1970年代末頃のことである。てこ入れのためにデザイナーが山口裕子
に変更され、山口は全国各地でキティの絵を描くサイン会を開く、毎年柄を変える、季節により変える、グッズの対象年齢によってデザインを変えるなどのさまざまな工夫を凝らし、売り上げ上位を保持し続けた。
1996年
、一部メディアで「華原朋美
がテレビ番組でハローキティ好きを公言したことから女子高生
・女子中学生の間でブームとなり、このことでハローキティの人気が復活した」と報じられた。実際1996年頃にキティブームと呼ばれるブームが起きており、1990年代後半頃、サンリオの収益の7割近くをハローキティのライセンシング・キャラクターグッズ売上が占めていたというデータもある。1997年、華原朋美の影響による効果をサンリオ社長が認める発言もしていた。ちなみにサンリオは当時、ブームになると後にすたれやすいという理由で、ブームを歓迎しなかった。このキティブームはサンリオの業績アップに大いに貢献した。
なお、このときのブームほど話題にはならなかったものの、キティブームは1977年頃、1985年頃にも起こっている。
設定
※設定は変更されることがある。この設定は2007年現在のもので、それより過去の資料とは異なる可能性がある。
キティ・ホワイト
- 生年月日
:1974年
11月1日
(日付は初代デザイナー、清水侑子
の誕生日に由来。)
- 出身地:ロンドン
郊外(誕生当時、日本の若い女性の憧れの地でロンドンが上位だったため。)
- 身長
:りんご
5こ分(ロンドン産)
- 体重
:りんご3こ分(ロンドン産)
- 血液型
:A型(日本人で最も多い血液型のため)
- 好きな食べ物:ママの作ったアップルパイ
- その他
- つけているリボンはミミィとキティをママが見分けるために付けた。
- デザイナー:
- 清水侑子
(初代。1974年~1976年)
- 米窪節子
(2代目。1976年~1980年)
- 山口裕子
(3代目。1980年~)
家族
- ミミィ(Mimmy White):双子
の妹、リボンは右耳(1976年設定追加)色はキティの赤に対して黄色であることが多い
- ジョージ(George White):父・商社マン(1976年設定追加)
- メアリー(Mary White):母・専業主婦(元ピアニスト)、趣味はお菓子作り(1976年設定追加)
- アンソニー(Anthony White):祖父、趣味は絵描き(1979年設定追加)
- マーガレット(Margaret White):祖母、趣味は刺繍(1979年設定追加)
ボーイフレンド
- ダニエル・スター
(Daniel Star):キティーのボーイフレンド(1993年設定追加)
- キティーとは赤ちゃんの頃からの相思相愛の仲だったが、パパ(カメラマン)の仕事の関係で南アフリカ
のプレトリア
に引っ越してしまった。その後キティと再会する(再会する部分のみ1999年設定追加)。キティーと同い年。
友達 [編集
]
- ジョーイ(Joey):ネズミ
の男の子
- フィーフィー(Fifi):ヒツジ
の女の子
- ジョディ(Jodie):イヌ
の男の子
- ティム(Tim)&タミー(Tammy):サル
の兄妹
- トレーシー(Tracy):タヌキ
の男の子
- ティッピー(Tippy):クマ
の男の子
- トーマス(Thomas):クマ
の男の子
- キャシー(Cathy / Kathy):ウサギ
の女の子
- ローリー(Rory / Lorry):リス
- モーリー(Mory / Moley):モグラ
- タイニーチャム(Tiny Chum):テディベア
の男の子(1983年設定追加)
ペット [編集
]
- チャーミーキティ(Charmmy Kitty):パパからプレゼントされたメスのペルシャネコ
(2004年設定追加)
- ハニーキュート(Honey Cute):チャーミーの妹(2005年設定追加)
- シュガー(Sugar):ボーイフレンドからプレゼントされたオスのジャンガリアンハムスター
(2004年設定追加)
友達 [編集
]
- ブラック、オパール、パール、ルビー、サファイア、エメラルド:チャーミーの友達のシャムネコ(2005年設定追加)
- ティラミス、ミルフィーユ、ビスケット、ショコラ:シュガーの友達のハムスター(2005年設定追加)
エピソード等 [編集
]
ハローキティに関する豆知識 [編集
]
- ハローキティは、当時からスヌーピー
グッズを販売していたサンリオが、スヌーピーに対抗して自社オリジナルキャラクターを開発しようと生み出したキャラクターの一つである。最初のグッズであるプチパースはキティを含め6種類のキャラクターで発売されたが、キティのものだけが圧倒的に売れたという。
- 初期のグッズに描かれたキティは体が横向きで座っているが、ラフスケッチの段階では正面向きのものもあった。初代デザイナーの清水侑子が当時のアシスタントに正面向きと横向きのどちらがいいかを尋ねたところ、横向きのほうがシンボリックでいいと返答したので、横向きを採用したという[8]
。
- キティがつけているリボンは、キティが生まれたときにママが双子を区別するため、キティの向かって右側の耳(左耳)とミミィの向かって左側の耳(右耳)にリボンをつけたのが最初という設定がある。
- ハローキティに口がないのは、「口がない」のではなく、見ている人と感情を共有できるようにあえて「描かない」とされているが、アニメではそういうわけにもいかないので、口がある(口が描かれていないのに喋れるキャラクターはロボットのみである)。ただし『ハローキティ りんごの森のファンタジー』では口がない。
- キティにはダニエルが登場する以前にも、一時期ボーイフレンドが存在していた。『いちご新聞』1980年1月1日号(115号)にて「恋人宣言」。ボーイフレンドの名前を読者公募したが、その後サンリオキャラクターとして定着することはなく消えた存在になった[9]
。
- 1986年には、ハローキティのファンクラブが結成された。