■眠くならず 症状抑える
いよいよ花粉症シーズンが本格化する。花粉症対策として効果の高い治療薬の抗ヒスタミン剤は眠気を催したり、集中力の低下といった副作用がある。これによって起こる労働生産性低下などの社会的損失を「インペアード・パフォーマンス」と呼ぶが、損失額は2400億円にのぼるとの試算もある。
こうした中で、眠くならない花粉症対策として人気を呼んでいるのが化粧品メーカーのワイ’ズ(東京都豊島区)が販売している花粉ブロッキング剤「ポレノン」。主成分は、果物や野菜に含まれる「ペクチン」とサケなどの白子に含まれる「核酸(DNA)」。
鼻の入り口や目の周囲など花粉症の症状が出やすい部分にスプレーすると、ペクチンが花粉を吸着し、DNAがそれを集めて固めることで、眠くならずに花粉症の症状を起こさせない。
治療薬による眠気が事故につながるおそれがある運輸業界は社員の花粉症対策に悩んでいる。ケーブルカーの御岳(みたけ)登山鉄道(東京都青梅市)は、社員の花粉症対策として眠気を催さない「ポレノン」を乗務員に携行させることを決めた。他の鉄道・バス会社、学習塾などが導入を検討中だ。
ポレノンは、平成21年12月にネット通販で発売。昨シーズンは、ネット通販のアマゾンなどで約1万5000本売れた。今年からマツモトキヨシ、ぱぱすなどドラッグストア大手や東急ハンズでも販売を開始。店頭実勢価格は1本(30ミリリットル、スプレー約370回分)3000円程度だ。「今年の販売目標は20~30万本」(中島壽一郎ワイ’ズ社長)と話している。
問い合わせは同社(フリーダイアル0120・293・470)。