※以前、書いたものとは全く別物
最近、良く見る夢がある。
夢の中で俺は、何故かアリスの服を着ている。
不思議の国のアリスのようなヒラヒラの服だ。
そして、いつも隣に居る奴。
そいつの顔はいつもモヤがかかっていて見えない。
相手は…男だと思う。
まぁ、猫耳と尻尾付けた変な奴だけど…。
俺とそいつは夢の中ではいつも一緒。
俺も特に気にしてないみたいだ。
ただ、そいつが「誰か」は分からない。
そいつが俺のことを『アリス』と呼んでも、
俺がそいつの事を呼ぼうとすると、
名前にノイズが走って聞こえない。
それに、最後はいつも樹の幹の穴に入って、
そのまま落ちて、目が覚める。
そして、俺は目覚めると、泣いている。
涙を流す場面なんて一度も無いのに…。
目覚ましを確認したら、まだ7時だった。
俺が通ってる学校は、
家から10分のところにある学校だ。
時間なんて余裕で間に合うのだが、
俺は今日も早く家を出る。
須:お早う
父:お早う、須王
母:………
須:今日、日直だからもう行くね
父:朝ご飯は良いのか?
須:朝ご飯って…用意されてないし
母:食べるのか、食べないのか分からないもの作れないわ
父:いつも食べるって言ってるじゃないか!
母:そうだったかしら?
母親は俺が嫌いだ。
母親と父親は再婚だ。
再婚当初はそうでも無かったのに、
今では会話すら殆ど無い。
父親だって、俺にあまり興味を向けない。
父:すまないな、須王
須:何が?
父:母さん、ちょっと機嫌が悪いみたいで…
須:別に。いつもでしょ
父:…そうだな
須:じゃ、行ってきます
父:行ってらっしゃい
俺が家を出て向かったのは、学校ではなく、
朝飯を食べる場所だ。
家を出て右に行くと、学校。
左に行くと、俺がいつも朝飯を食べる場所がある。
周りの景色には似つかわしくない屋敷。
―ピンポ~ン♪
?:…は~い
須:まだ寝てたか?
?:ぅにゃ~、お早う…
須:お早う、猫田
この家に住むのは猫田千絵。
俺の前で眠そうに欠伸をしてる女だ。
須:今日も朝飯、頼むな
千:…どーぞ
俺は猫田の家で朝飯を食いながら、
今日見た夢の話をした。
猫田は半分寝ながら話を聞いていた。
名前に「猫」が入ってるからか、よく寝る奴だ。
何となく、夢に出てくる猫に似てるような…。
まぁ、夢に出てくる猫は男だと思うが…。
千:にゃ~に?
須:…いや、別に。いつも美味いなぁって…
千:そりゃそうでしょ。お兄ちゃんが作ってるんだから
須:良いね、料理上手な兄が居て
千:学校行く支度してくるね
須:…あぁ
千絵の兄…は会ったこと無い。
もしかしたら、夢の中の奴かも?
まぁ、会いたくても、
俺らよりも先に学校行ってるみたいで会えないけど…。
そして、俺は千絵が支度を済ませる前に、飯を食い終わり、
食器を洗ってから学校に向かう。
いつもの事だ。
俺は、家では食事しない。
『アリス』の夢を見るようになってから、
何だか家に居たくなくて…。
どうせ、俺は母親に嫌われているからな。
『アリス』の夢もそうだが、
早いとこ、家を出なければ…。