朝から憂鬱な気持ちで俺、荒木雅範は校門前に居た。
今日は朝の挨拶運動がある日。
でも、俺の心は晴れていない。
この間、真澄チャンの携帯に送られてきた写メ。
アレが頭の中をチラついて眠れないのだ。
それもこれも明仁の所為だが、
当の本人はまだ学校に来てないワケで…。
お蔭で文句も言えない…。
雅:……ハァ
?:荒木先生、挨拶運動中ですよ
雅:…ハイ
思わず出てしまった溜め息。
熊井先生、まだ来ないな…。
一応、生徒は校門から、
教師は裏門から、となっている。
まぁ、別に決まりではないので、
歩きの教師は校門から入る時もあるけど。
熊井先生は特に決まっていないのか、
校門からだったり、裏門からだったりする。
時間は7時半。
一緒に挨拶運動をしていた先生は、
1限目から授業が入ってるらしく、
準備があるからと校内に戻った。
挨拶を交わしながら、服装などもチェックしていく。
特に問題のある生徒は居ない。…3A以外は。
すると、普段朝から顔を見ることのない面々が、
欠伸をしながら校門を潜ろうとした。
雅:っお早うございます!
晃:朝からウゼェ
鷹:まぁまぁ、朝からカリカリしないの。お早うございます、荒木センセ
竜:憂鬱な表情で挨拶運動とは(笑)
普段朝から顔を見ることが少ない生徒、
3Aの仲居晃之、野木竜弦、櫻井鷹史の3人だ。
しかも、組み合わせも珍しい。
ボーっとしてる内に、櫻井達は校内へ入って行った。
そして、挨拶運動を引き上げ、職員室へと戻る。
土屋先生の表情も、どこか元気がない。
…まぁ、いつもクールな表情ですが…。
真:挨拶運動、お疲れ様です
雅:…大丈夫ですか?
真:何がです?
雅:何か、元気無いような…
真:気のせいよ。それより、熊井先生、今日休むらしいわ
雅:えっ? 何で?
真:…知らないわよ
一応、ダメもとで電話をしてみる。
3コールくらいで留守電に接続された。
そして、今日も始まる1日。
結局、熊井先生は4限目まで来なかった。
でも、4限目、熊井先生はPC室に籠った。
幸い、授業で使ってはいない。
一体、何をしてるのか…。
熊井先生が職員室に戻ったのは昼休みが終わる頃。
昼ごはんも食べずに調べ事か。
職員室にもパソコンはあるのだから、
職員室の自分のパソコンで調べれば良いのに、
何でわざわざPC室のものを使うのか。
雅:熊井先生、教師なんですからちゃんとして下さいよ! 休むってメールしてきたのに、4限目に来るし。来たと思えば、PC室に籠るし。ご飯も食べないで何してるんですか?!
明:…お前には関係ねぇよ
雅:少しは教師らしくして下さいって言ってるんです!!
明:あの写メでキレてんじゃねーよ。つーか、雅は最初から関係無いでしょ?
真:2人共、その辺にして
雅:だって、土屋先生っ!
明:『だって』じゃねーよ。だったら、雅は助けられるって言うワケ?
雅:助ける? 誰を?
明:真澄
真:…っ(//・_・//)
ビックリした。
熊井先生が土屋先生のことを『真澄』って呼んだ…。
そもそも、助けるって何から?
まさか、土屋先生の見合い相手かな?
明:あの社長様はとんでも社長だったんだよね~(笑)
雅:え?
明:真澄チャンが変なのに引っかからなくて良かったよね~(笑)
雅:…あき、熊井先生…?
明:大丈夫。真澄チャンは俺が守ってあげるから(笑)
だから、何から守るって?
とんでも社長って何?
何でちゃんと説明してくれないの?
俺には関係無いって何さ?
もう、ワケ分かんない…。