龍のひげのブログ -507ページ目

離婚後の生活 5/6

さて、ここまで読んでいただいて、偉そうに設問を出すのは気が引けるのであるがお許しいただきたい。TVを買ったときの店頭での店員の説明とその後の電話で最初に出てきた女性(どちらも長期保証を断っていた店員)と電話で後から登場した男性(あっさりと長期保証を認めた店員)の対応の違いの背景にはどのような事情が考えられるであろうか。すぐにはわからないであろうから読み返して考えていただきたい。

正解は(私が勝手に正解だと思っているだけのことであるが)、こういうことである。ミドリ電化は信販会社と提携しているが、その仕組みは家電品の販売とカードの普及をタイアップさせることで長期保証のサービスを創出するシステムを構築しているのである。その原理原則がわかれば自ずと見えてくるものがあるはずだ。ミドリ電化は信販会社と提携しているもののビジネス上において完全に一心同体というわけではなく、微妙に利害条件が異なるのである。信販会社は1枚でも多くのカードを発行して新規顧客を増やすことに一義的な目的がある。そして信販会社と提携しているその他、飲食店やホテルで使ってもらったり、公共料金の引き落としやキャッシングを利用させることによって利益が発生することになる。よって信販会社にとってはミドリ電化で販売される家電品が、誰の金で買われて、誰の所有物であるのかなどはどうでもよいことなのである。また信販会社には、離婚した元妻のように新規でカードを作ることの出来ないような人間はビジネス上何の値打ちもないのであって、長期保証のサービスを供与するわけにはいかないという理屈となるのだ。おわかりであろうか。ところがミドリ電化は信販会社と切り離して単独で考えた場合に事情が変わってくる。量販店にとっては本来、わざわざ足を運んで来店してくれて、自分の金を自分の店に落としてくれる客を大切にしなければならないのは当然だからだ。すなわち店頭で、配達場所がカード登録の住所と違うから長期保証の対象に出来ないと説明した店員や、電話で最初に応対した女性店員は、おそらくそのように教育、指導されていたからであろうが、主に信販会社の立場と利益に則って説明していたのである。資本主義の原理に忠実な規則に(恐らくはその意図もよくわからないまま)従っていたとも言える。ところが電話で女性店員に交代して登場した男性店員は視野が効く人間だったので瞬時の判断で私の購入履歴を見て、資本主義の原理主義からミドリ電化本体が取るべき方向性へと柔軟に考えを切り替えることが出来たのであろう。

ところで私はたくさんのカードをばら撒いて商売する信販会社という存在が元々、嫌いである。なぜ嫌いなのかを自己分析してみたところこういう結果になった。まったく“顔”の見えないところで、顧客に対して“ありがとうございました”の一言もなく、“裏”で金儲けのシステムを作って胡坐をかいているだけにしか見えないからだ。サラ金と同じである。私は昔から、ああいう業界のトップは人間性が腐っているのだと思い込んでいる。なぜ人間性が腐ると考えるかと言えば、自分たちを儲けさせてくれている顧客に対して感謝の気持ちを持っていないし、また持てるような仕組みになっていないからである。人間は、目の前のお客さんに対して「ありがとうございました。」と言い続けていれば決して人間性が腐ることはないが、裏側からシステムの力だけで搾取し続けていると必ず腐敗するものだと私は考えている。客を客とすら思えなくなってくるであろう。人間が金儲けの道具にしか過ぎなくなる。仮に少しでも感謝の気持ちがあるのであれば、カードを所持している人間が自分の金で商品を買う時には無条件に付随するサービスがその人に付与される方式が採択されるはずである。役所でもあるまいのに、まるで株式を分割するように世帯を分割管理して売り上げを膨らまそうというやり方は資本主義的と言えばそれまでだが、人間性がまったく感じられない。私にとって腹立たしくも解せないのはこういうことを言ったり書いたりすると、必ず“共産主義者”のレッテルを貼られることである。確かに共産主義的な意見かも知れないが、人間の社会に対する自然な感性を資本主義と共産主義の二つに大別して一体誰が得するのであろう。さあ、これが第二の設問だ。答えは出さないが、皆さんそれぞれによく考え続けていただきたい。

感情の赴くままにまたもや脱線してしまった。何も信販会社への悪口が今回の記事の本意ではない。元に戻して私が言いたいことは、このように日常誰もが遭遇する、ちょっとした出来事の背景にある事情をきちんと因数分解して理解できる人間がかなり少ないのではないかと危惧されるということである。世の中はとても複雑である。上記に書いたようなことは最も基本的で簡単な因数分解であるが、日本人全体の思考力が低下してくると、この程度のこともわからない人々の世論が暗雲のごとく社会を覆いつくすことになる。もちろん個々人レベルで見れば、わからないからと言って日常生活に支障があるわけではないであろう。むしろ、これが規則だ、あるいはこれが法律(条例)だ、と言われれば何の疑いも無く淡々と受け入れて、自分が本当に人生で傾注すべき仕事や分野にエネルギーを注ぎ込むのが模範的な大人と言えるのかも知れない。そういう時代もあってもよい。しかし今や、そういう時代ではないと私は思うのだ。何ていうか今の日本は、全ての国民が生活の前提と当たり前を疑わなければならない時期に来ていると思えるのである。そうでなければ政権が変わったからと言って、景気も生活レベルも人生そのものも向上しないような気が私にはする。そして私はそこにこそ“文学”の本来の役割があると考えているものである。もちろん新聞にも実生活の役に立つことがたくさん書かれている。しかし新聞が決して書かないことというものは確かにあるのであり、本当に人生を深化させ向上させるのはそのような新聞やTVが触れない感性だと思う。ところが前回にも書いた通り、今の日本は文学の言葉や表現すら衰退してしまっており、感じたことをはっきりと伝える瑞々しい感性や元気がまったく感じられない。これでは世界有数の自殺国家であっても当然である。おかしいと思えることは、きちんと筋道を立てて論理的に主張する能力が生きる力であると言っても過言ではないのではないか。

離婚後の生活 4/6

「今回はたまたま42型のプラズマTVを買ったから配達してもらうことになったけど、物によっては当然店から直接持ち帰りすることになるのだから、その後にその商品をどこで使おうとこっちの勝手ではないか。」

要するに配達先で長期保証の不可を区分するのはおかしいのではないか、ということである。すると電話で応対した女性が説明するに

「確かにその通りですが、出張修理をする際にカードに登録されている住所以外の場所になりますとやはり長期保証の対象外ということになってしまいますので。」と言う。

なるほど一見、尤もらしい説明ではある。しかしちょっと考えればその説明にも矛盾がある。なぜなら大型のTVだから出張修理ということになるのであって、小型のハンディビデオカメラなどではどこかの修理センターに送付することになる。ならば商品の価格ではなく大きさで長期保証にする対象商品の前提条件が変わってしまうことになり、不公平と言うかナンセンスである。そもそも一概に電化製品と言ってもテレビやエアコンのように備付け型タイプのものばかりでなく、移動を伴う小型商品も多いのだから配達先や出張先と長期保証条件を連動させるのはおかしい。純粋に法律的な考え方をすればその商品の所有者が長期保証を受ける権利があると看做すべきだ。私は元妻に対してはTVの所有権を主張するつもりはないが、ミドリ電化に対しては私が直接店に出向いて自分の財布から金を出しているのだから当たり前のことだが私の所有物である。そういうことを繰り返し主張すると応対している女性は、「でもこれは当社の規則ですから。」と困ったように答える。しかし私は尚もその規則の疑問点を問いただした。

「それなら別荘を持っている人が、その別荘で使うTVを購入する場合はどうなるんですか。別荘はカードに登録されている住所と異なるわけだから、長期保証を受けようと思えばその別荘の住所でもう1枚、別のカードを作らなければならないことになるではないですか。」

と言うとその女性もなかなかにしぶとくて

「実際にそういうケースもあるのです。その場合にはもう1枚、別のカードを作ってもらっています。」と答えたのだが、そんな馬鹿な話しはない。私はクレジットカードは好きではないので必要最小限にしか持たないから詳しくは知らないが、普通はカードの登録住所は住民票に記載されている住所にするものであって、自分が所有している不動産ごとに住所を変えてカードを保持する人間などいないのではないのか。そのような理屈であれば居宅とは別に複数の賃貸マンションを所有している家主が、店子のために各部屋にエアコンを備え付けしようとする場合、エアコンを販売する量販店にとっては大口の優良顧客であるにも関わらず長期保障のサービスを受けさせないということになってしまうではないか。家主は部屋数だけのカードを作らなければ修理代に莫大な費用が掛かってしまうことになり現実的ではない。もちろん私のケースとは全然スケールが違う極論かも知れないが、論理的にはそういうことになる。別に私は6千円位の追加金を払ってもよいのだが、“社会論理”の討論になるのであれば相手が誰であれ負けるわけにはいかない。そうすると、その女性はこの客は私の手に負えないと判断したのであろうか、「ちょっと、お待ち下さい。」と言って男性の店員に代わった。

手ごわい責任者のご登場か、と思った。同じような仮定の話しを何度もして規則の矛盾を追求するのは面倒なので私は単刀直入に

「要するに私が直接そちらのお店に出向いて、自分の金でTVを買っているのに長期保証適用の例外扱いされるのが納得できないということなんですよ。これまでと同じように買っているのに何が問題なんですか。」

と言うと、店員は反論せずに

「そうなんですか。」と私の主張に理解を示すかのような雰囲気である。それで店員は私がカードに登録している電話番号を聞き何かデータの照合をしているようであった。店員はあっさりと

「それではお客さんのカードに付け替えさせていただきます。」と言った。

私が、「長期保証を受けられるということですか。」と確認すると

店員は、「はい、そうです。どうもすみませんでした。」と謝った。私は店員にTVの領収書の伝票番号を伝え、店員はPOS画面で私のエディオンカードへの購入の切り替えをしているようであった。最後に店員がまた「すみませんでした。」と謝るから、私は申し訳ないような気持ちになって、「いや私はおたくの店は他店よりも安いし、品揃えも豊富だし、サービスもいいし大変に評価しているんですよ。またこれからも利用させてもらいますから。」と言った。別にリップサービスではなく本心である。それで私とミドリ電化の電話による一幕の交渉劇は終結したのであった。

離婚後の生活 3/6

ついでにもう一つ、やけぐそ気味に“せちがらい”話しをご紹介しよう。元妻と息子がマンションで未だにアナログTVを見ていることを不憫に思った私は、デジタルTVを買ってやることにした。最近TVの価格が一段と安くなったことでもあり、先月のある日、ミドリ電化のDMで日立製の42型プラズマTV、WOOOが12万円台で出ているのを見た私は元妻に電話して買ってやるから息子と3人でミドリ電化に行こうと誘った。何で離婚してまでそこまでしてやるのかと不思議に思われる方もいるであろうが、私は元妻との間でこれまでさんざん揉めてきたが、最終的に私に息子の親権を譲ってくれたことには感謝の気持ちがある。その上、昨今夫婦別姓などの法制化が議論されているが、元妻は未だに私の姓を名乗っている。離婚直後は旧姓に戻すことで一旦役所に届け出たのであるが、再変更が効く1ヶ月間の間に考えを変えて私の姓にまたもや戻したのであった。別に私がそうしろと言ったわけではない。ところで私は夫婦別姓には反対である。結局のところ特定のイデオロギーの下で国家が家族を管理する一形態に過ぎないからだ。そこには本当の意味の自由も開放もない。夫婦関係あるいは父親と母親の役割はそういうものではないはずだ。籍や姓は国家制度であるが、本当の人間関係は制度を離れたところにあるはずだ。むしろ制度が人間関係を歪めるのである。その原理がわかっている人間は夫婦別姓のような制度が歪みを矯正するのではなく、さらに歪める結果にしかならないことを理解できるはずである。私の正体はアナーキーなナショナリストである。私は理解されがたくも進んだ人間である。私の不幸は未来の幸福への種子だ。

話しが逸れたので元に戻すが、私はミドリ電化は今年の春に初めて利用して以来、大のお気に入りなのである。仕事で使っているファックスが駄目になってきて買い替えをしなければならないと考えていた時に、2社が売り込みに通ってきていたのであるが、業務用のファックスは高いのである。30万円とか50万円である。不景気の昨今ちょっと手が出しにくいのであるが大幅に値引きをさせて20万円位で購入しようかと考えていた矢先にミドリ電化の大型店に初めて行ってみてキャノン製の複合機が3万円台で売られているのを発見した。店員によく話しを聞いたところファックス専用機と比べてもまったく遜色がないということなのですかさず買ったのであるが、大満足の買い物であった。夏には型遅れのキャノン製のデジタル一眼レフカメラ、キッスX2を購入しようとして某有名量販店で9万円台後半で決めかけていたのであるが、試しにミドリ電化に行って見ると8万5千円で4ギガのSDメモリーカードまで付いていていたので感激しつつ買ったものであった。何よりもミドリ電化の偉いところは5年間の長期保証をつけるシステムにある。これまで他店では5%だかのポイントを使って保証書を発行してもらっていたのであるが、その保証書がまたちゃちで普通のレシートと変わらないような代物である。感熱紙に印字されたレシートで何年か経つと消えてしまいそうなその保証書を後生大事に保管していなければならない。仮にその保証書を紛失してしまえば、メーカー保証の1年を過ぎてから5年目までの保証を受けられないのであるが、店側は何パーセントかの保証書紛失者を当て込んでいるのではないかと勘繰りたくなるほどだ。ところがミドリ電化の画期的なところは“エディオンカード”を作りさえすれば、保証書などなくとも無条件に5年間の長期保証が受けられるのである。またカードを提示しなくとも登録してある電話番号だけで購入履歴を調べてもらえるから、いとも簡単に長期保証を受けることが出来る。これまで今にも消え入りそうな感熱紙の保証書を見ながら感じていたことをまさにミドリ電化は実践しているのだ。私は春にファックスを買ったときに店員に進められてエディオンカードを作った。

前置きが長くなってしまったが、実はせちがらい話しとはその長期保証についてのことなのである。日立製のプラズマTVを買って、マンションへの配送日を決め、現金とエディオンカードを店員に手渡した。すると店員が戻ってきて、カードの登録住所と配達場所が違うから長期保証の対象にすることは出来ないと言うのである。私は離婚確定前から郵便物などの関係で実家に住所変更してあるのでエディオンカードも実家の住所で登録してある。それで仕方なしに私と元妻の関係を店員に説明して、私が自分の金で買うのであるしマンションも私の所有なのだからギフトということで問題ないのではないかと言うと、店員は長期保証はあくまでカードに登録された住所に住んでいる人が対象で、それ以外は対象外だというのである。それではどうすればよいのかと聞くと、マンションの世帯主である元妻にエディオンカードを作ってもらわなければならないと言う。それでその場で元妻はエディオンカードの申込用紙をもらって店員の説明を聞きながら記入することになった。職種について元妻は“専業主婦”とも書けないので“無職”とし、年収は正直に0と書いた。それで帰宅後、元妻が申込用紙を投函したところ今から1週間ほど前にカード会社から元妻のもとに電話があって、カードは作れないと断られたそうなのである。元妻はカード会社からの連絡の後、早速私の携帯に報告してきたのであった。エディオンカードを作れなくともTV代金の5%相当(約6千円)を現金で支払えば長期保証はしてもらえるので、その分は私が出すからと元妻には言っておいた。しかしよく考えればミドリ電化の説明にはちょっとおかしいところがあるのである。私は店に電話してこう言った。