Bianco e nero | Walking in the Air

Walking in the Air

ファンタジーPBCサイト「鉱山都市フランネール」の登録PC、ニコルの活動日記です。



PBCをご存知でない方、当PCに興味のない方は閲覧をご遠慮下さい。

あたしは今まで、ふたつのカテゴリーに何もかも当て嵌めて生きてきた。


「YES」と「NO」。「好き」と「嫌い」。「善」と「悪」。「味方」と「敵」……他にも沢山。


スキなものはスキ。キライなものはキライ。……何もかも、そのどちらかに分類してきた。


―――でも、この世にはそれらのどちらでもないものもある。それをあたしは今頃知った。



退院してリトゥラ湖に散歩に行き、秋の夜風を感じているとぼんやり湖畔に佇むおじさんがいた。

不審だったので声を掛けてみる。


彼は最初はあたしをレディなんて言って慇懃に接してきたけれど、途中でいきなり様子が変わった。

「これからする質問の返答次第では殺す」とまで。

何ごとかと思ったら、ロザリオのことを訊ねられた。あたしがガルーダから借りた、水晶のロザリオ。


よくよく聞いてみると、どうもおじさんがガルーダにロザリオをプレゼントした人らしい。

そりゃそうよね……友達にプレゼントしたはずの物を他人が持ってたら、当然怪しむよね……。

しどろもどろになりながら説明すると、おじさんはすぐに信用してくれた。

説得できなかったら首を刎ねられてたんだろうかと思うと、背筋が寒くなる。


おじさんはロザリオの本当の持ち主である彼のこと、よく知っているらしい。

そして、あたしのことも瞬く間に看破してしまった。


「レディは白か黒かの考え方が目立つ。それ以外の選択肢を持ってみるのもいい」


彼の言葉に、あたしはハッとした。

確かにそうだ。無理矢理にどちらかに当て嵌めてしまうことは出来ても、それは本当の理解じゃない。

白か黒かで割り切れてしまえるほど、この世は単純明快じゃない。

無数にある価値観を理解しつつ、それを整理する技量が必要だと思った。


―――実りの多い夜だったけれど、まあ、難しいことはひとまずさて置いて。

最後に彼に教えてもらったこと、まずはそれを試しに行こう。


……怒られるかな……。



遭遇者:ラーズ