退屈な入院生活の中で、お見舞いに誰かが来てくれるというのはとても嬉しい。
外からの活力を貰って、頑張ろうという気持ちになる。
穿たれた傷の治りが早まるようなことはないけれど―――
それでも、仲間や友達との触れ合いは何よりの特効薬だ。
ガルーダがお見舞いに来た。
あたしの好きな花を持ってきてくれる、ということで。
手ぶらで来たって、あたしにとっては凄く嬉しいことだったけれど―――
彼が持って来た色とりどりの薔薇の花束に、あたしはすっかり眼を奪われてしまった。
彼の膝に乗って抱きしめられながら、久しぶりに話をする。
彼は変わらず優しい。
優しい視線、安堵を齎す声。大きな手のひら、暖かな体温。心臓の鼓動、それから唇―――。
その全てが、あたしの心と身体に沁み入ってくる。
以前、彼の優しさは甘い毒だと書いた。
それは、今でも変わらない。
彼に依存してしまったら、あたしは独りで闘えなくなる。彼がいなくなってしまったら、
あたしは何も出来ない人間になってしまう。
それが怖かった。
―――でも。
今はもう、それを怖いとは思わない。
この夜彼に言われたことは、今でもはっきり覚えている。多分一生忘れることはないだろう。
あたしは彼の言葉を信じる。
彼に……そう。彼についていこう。
彼と今後のことについて話した。
一緒に紅葉を観に行こうと。一緒に豊穣祭に行こうと。
彼と歩く未来は、きっと明るい。
遭遇者:ガルーダ