内緒の取り決め | Walking in the Air

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ファンタジーPBCサイト「鉱山都市フランネール」の登録PC、ニコルの活動日記です。



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入院というのは酷く退屈だ。


病人であれば本当に大人しくしている他ないけれど、あたしは別に病気じゃない。


だから、なんとかして脱走したいといつも思ってるんだけど―――


世の中そう甘くはないみたい。



施療院に入院して、数日が経過した。

準備も何もなく担ぎ込まれたものだから、着替えがなくなってしまって。

施療院で売ってる下着やシャツを買うのも勿体無いものだから、こっそり家まで取りに帰ることにした。


こっそり、誰にも見つからないように家に行こうとしたんだけれど―――

それは傍から見ればバレバレだったらしい。

後ろから唐突に声を掛けられると、あたしは心臓が口から飛び出るほど驚いてしまった。


あたしに声を掛けてきた人は、カヴォロさんという自警団員だった。

彼に施療院を脱走してきたことをすぐに見破られ、お説教を食らう。

……でもまあ、本当に見つかりたくない人に見つからなかったのは、不幸中の幸いと言えなくもない。


とりあえず自警団にいる友達にだけはバラさないで、と彼に口止めを。

代わりに、彼にはそのうちこっそりとお酒の差し入れをする―――ということで合意した。

こんな裏取引は悪いことだとは分かってるけど……ま、まあ、魚心あれば水心ってことで……。


彼と色々な話をして、最後には家まで行って着替えを取ってから、施療院に戻るまで護衛して貰った。

なんとなく、ぐうたらなダメ団員ってイメージの人だったけれど……

案外、能ある鷹は爪を隠すっていうのは彼のことなのかもしれない。



遭遇者:カヴォロ