あたしは未熟だ。
駆け出しの下っ端もいいところだ。ハンターギルドでも、きっと実力は下から数えた方が早い。
けれど。こんなあたしでも一人前になれるだろうか?一族の名に相応しい戦士になれるだろうか。
代々の一族のハンターたちは、不安じゃなかったんだろうか。
かねてからの約束通り、セリが生徒のフェイシアを紹介してくれると言うので金色亭へ赴く。
どうやらあたしが一番乗りだったみたいで、いつもの通りにぼーっと待つことに。
暫くぼんやりしていると、不意に声を掛けられた。
綺麗な金色の髪。気の強そうな瞳。
彼女がフェイシア。軽く挨拶をして、あたしたちはすぐに打ち解けた。
少し遅れてセリも合流し、乾杯してから食事を始めた。
フェイシアの話を聞いてると、彼女は本当にセリを尊敬してるんだなという事がひしひし伝わってくる。
甲冑に身を固め、馬に跨って戦場を駆けるセリの姿なんかを想像すると、それも当然と思った。
けれどその分、騎士になるには生半可な努力では足りないということも分かった。
セリは相当なスパルタらしい。レポート提出なんかもあったりして……多分あたしなら逃げ出しちゃうね。
フェイシアはセリのような騎士になるのが夢らしい。
セリは付き合いのまだ浅いあたしが見てもとても確りしてて、誇り高い人だから憧れるのも尤もだ。
フェイシアはきっと、立派な騎士になれるだろう。
―――でも、あたしは?あたしは立派なヴァンパイアハンターになれるのだろうか。
この街に来て、無様な負けばかり体験している。
彼女とこんな話をした。
いつかお互いが立派に、一人前になれた時。一緒に世直しの旅が出来たらいいねって。
それがもし叶うとしたら、どんなに素晴らしいか分からない。
努力もしていないのに、立派になれるか不安だなんて言っても仕方ないよね。
よし、頑張ろう。いつか誇れる自分になるために。
セリとフェイシア、それからあたしの三人分の秋冬ものの服をとある人に選んでもらおうという話もした。
白羽の矢が立った彼には可哀相だけれど、引き受けてもらえるかな?
遭遇者:セリカ/フェイシア