あたしが知らない、家族の姿。
それを知っている人に出会って、話を聞くのはとても楽しい。
普段あたしが見ることのない―――もしくは今はもう見ようと思っても見られない姿を知っている人の話は貴重だ。
あたしも、人にいい思い出とともに語られる人間になりたいと思う。
廃屋に、前に出会ったダンピールがいた。
彼の名前はグラナ。あれからギルドに言って名簿を調べたんだけれど、あたしが彼の名前を呼ぶと彼もあたしの名前を呼んでくれた。
で、彼に前回聞きそびれたおばあちゃんの事を色々訊く。
おばあちゃんは頑なに一族の狩人としての宿命を全うしたらしい。
誰にも頼らず、独りで一族の重圧に耐えていたらしい。
おばあちゃんには、頼れる仲間はいなかったのかな。おばあちゃんに手を差し伸べてくれる人はいなかったのかな。
あたしにはきっと、おばあちゃんのような生き方は耐えられない。
あたしには、愚痴を言える友達がいる。一緒に遊んで、笑ってくれる友達がいる。
だから、独りで全て抱え込むような生き方は、とても出来ない。
グラナは、君は君であって祖母とは違うと言ってくれたけれど。
あたしに足りないのは、孤独でも闘い抜こうという意思なのかもしれない。
彼との話は、あたしに色々考える課題を与えてくれた。これから、ゆっくり考えていこう。
―――とりあえず、彼に弟子入りを却下されたのが無念。
遭遇者:グラナ