ヴァンパイアに血を吸われると、犠牲者はヴァンパイアになってしまうというのは有名な話。
だからあたし達は何があっても血を吸われる事だけは回避しなくちゃならない。
戦いに敗北し、血を吸われて人ならぬ者へと変えられてしまう。
それは、どれほど屈辱的で恐ろしいことだろう。
魔物が出ると噂の廃屋に探検に行ってみた。
けど、あるのはガラクタやらもう使えなくなった家財道具、あとは蜘蛛の巣ばっかり。
めぼしい金目のものなんて、もうとっくに持ち去られててガッカリしてしまった。
まあ、それを差し引いても廃屋探検は子供の頃を思い出して楽しかったから、いいんだけれど。
あらかた探検し終わって、さて帰ろうと思ったら唐突に声を掛けられた。
魔物か!と思ったけれど、暗がりの中にいたのはモーティ。
まったく、暗がりからオバケみたいに脅かすなんて人が悪いよ。
悪気はなかった、この仕事をしてると自然と陰気になるから、とか言ってたけど……
そんなんじゃダメだよね。モーティを明るい性格にする為に、今度昼間に外へ連れ出そっと。
モーティはピエールというヴァンパイアと闘って、血を飲まれたと言ってた。
モーティがヴァンパイアに感染したのかと思って心臓が凍りつくほどビックリしたけど、どうやら違うみたい。
グラスに血を注いで、それを飲まれた……らしい。変わった性癖のヴァンパイアもいるものね。
でも、大事なパートナーの血を飲むなんて許せない。聞けばそのピエールとか言うヴァンパイア、ヴァンパイアハンター狩りを自称してるとか。
ヴァンパイアハンターへの宣戦布告と解釈してよさそう。遭ったら、絶対にとっちめてやるんだから。
遭遇者:モートヘルシュ