あたしの故郷は山の中にある、小さな寒村だった。
村の人はみんな知り合い。知らない人なんて誰一人いない。よく言えば連帯感のある、悪く言えば閉鎖的な村。
そんな村では、新しい出会いなんて望めない。―――でも、今あたしのいるこの街、フランネールは違う。
沢山の人、沢山の人種に、毎日あたしは会っている。中には、変わった人もたくさんいる。
今日はジェムと金色亭で食事。
遅れてきた彼女は、なぜだかとても緊張していた。
知らない人が沢山いる場所は緊張する、って言っていたけど、あたしと同じ田舎育ちだからかな……。
ジェムはまだ、ギルドやそれに類する組織には登録してないらしい。
あたしはもう登録しているし結構仕事を回してもらってるけど、彼女は普段何をして生活費を賄っているんだろう。
また子犬を狙うような真似もしてほしくないし、今度二人でギルドに登録をしに行く事にした。
彼女に合った仕事が見つかればいいけど……。
戦闘は嫌だと言ってたから、とりあえず最初は薬草摘みか何かからコツコツと。
……ま、そういうのに付き合うのもたまにはいいよね。
遭遇者:ジェム