大きな街は、あたしの故郷と違って夜でも活気があるから好きだ。
特に街の市場は日が落ちても色んなものが売ってて、ついつい眼を奪われてしまう。
新鮮なフルーツや、珍しいお菓子。揚げたてのフライやふかふかのパン。
……ついつい食べすぎちゃって、あとで青くなる。
あたしがフライを食べながら歩いていると、なんだか物欲しげな視線と行き会った。
いかにも女の子、みたいなカワイラシイ服を着てパラソルを持った彼女の名前はベリー。
やっぱり、都会の子は垢抜けてるなぁ……と思った。
なんだかとっても食べたそうだったから、あたしの買った腸詰を一本上げたら、とても喜ばれた。
人が喜ぶ顔を見るのは、とても嬉しい。
彼女の背中には、一対の翼があった。魔物かと思ったら、天使だという。
天から落ちた天使。
彼女はもう天国には戻れない、みたいな事を言ってたけれど、それって凄く悲しい事なんじゃないかと思う。
あたしも村を出てきた身だけど、帰ろうと思えばいつでも帰れるし、気楽なものだ。
でも、彼女はもう戻れない。
彼女はそれをあっけらかんと言っていたけど、きっと凄く落ち込んだり悲しんだりしたんだろう。
彼女は、とても強いと思った。
ハロウィーンのキャンディや、たくさんのお菓子の話をしながら、彼女と一緒に帰った。
楽しい時間。―――他の魔物も、ベリーみたいにいい子ならいいのにね。
遭遇者:ベレンジェール