「クロール」は、4泳法の中で 何故 一番速いスピードが出るのでしょうか?
この疑問を、解説しましょう!
以前にに、抵抗の話をしました。抵抗をいかに少なくするか!?がポイントであると!
そして、ストリームライン(けのび姿勢)といわれる姿勢が。ヒトの水中姿勢の中でもっとも
抵抗が少ない姿勢であることも話をしました。
さて、「クロール」が、何故一番速いのか? を考えれば、もうおわかりのはずです!
そうなんです・・・「クロール」が、その泳ぎの動作の中で一番、ストリームラインを
保てる泳ぎ型だから速いのです。
それでは、わかりやすく解説していきましょう。
ストリームラインを保ち、スタートします。
まずは、脚の動きをみていきましょう。 クロールは、フラッターキックを用いる泳ぎです。
フラッターキックは、その動きの中で、必ずストリームラインの姿勢になってから、上方へ
動かしたり、下方へ動かしたりしますね? ストリームラインをすごく逸脱する局面が、
ありません。
では、腕の動きをみてみましょう。ストリームラインの姿勢から、まずは右腕を動かし始め
ます。体の下方をかき、後方へ水を押し出していきます。ももの所へきたら、水面へあげて
いき、水上を通して前方へ戻ってきます。さあ、この動き自体は、ストリームライン姿勢からは
かなりかけ離れた動きなのですが、動かしていない方の腕に注目してみましょう。右腕が
動いている間は、左腕はストリームラインのままなのです。そして、右腕が戻ってきて、もうすぐ
水に入ろうとするその瞬間に、左腕が動き始めます。すると、右腕は、前方へ戻ってきて、
入水し、またストリームラインを保つのです。
ですから、両腕は、どちらか一方が一生懸命に水をかいている間は、もう一方は、ストリーム
ラインを保っているということになるのです。
では、腕と脚の動きを同時にみてみましょう!
通常のクロールは、6ビートスタイルといって、腕のひときかきの間に、左右で合計6回の
キックをしているのです。
そして、右腕をかいている時、かいた腕がももまで水をかききりました!そ瞬間の姿勢は、
腕は右腕がもものところに(いわゆるきおつけ姿勢)、左腕は前方に伸びたストリーム
ライン姿勢、そして、そのときの脚は、右脚がけり下ろした姿勢で(脚が下方に伸びている)
左脚は、水面に戻ってきている状態なのです。
ここで、驚きの事実が!
そうなんです・・・右手をかききった瞬間は、な、な、なんと左半身は、完全なストリームラインの
ままなんです! もちろん、逆も同じです。左腕をかききった瞬間は、左腕がももの位置、
その時の脚の状態は、左脚がけり下げた瞬間で、右脚は水面のところにある状態なのです!
と、いうことは「クロール」は、右半身で水をけったり、かいたりして、推進力をたくさん
得た瞬間は、左半身はストリームラインを保っているので、抵抗が限りなく少ない状態を
保っているということ! 言い換えれば、ブレーキがかかっていない…ということになります。
この、バランスや腕や脚それぞれの動きがうまくできない場合は、片側で目いっぱい、水を
けったり、かいたりしているので、もう片側で腕がさがったり、ひざをまげていたり、顔が立って
いたりして、ブレーキをかけまくっているという、不効率ば動きをしているということになる
のです。
自転車にのって、ペダル一生懸命にこぎながら、ブレーキをかけないでしょ?!?
「クロール」が速い理由は、コレなんです。他の泳法は、クロールほど、その泳ぎの中で
ストリームラインを維持する局面が多くない!ということなんです。
6ビートのほかには、4ビートや2ビートの泳ぎ方がありますが、それはまた機会あれば!
さあ、次回は「クロールの呼吸」について、お話をしましょう。では、暑い、暑い、今日この頃、
お近くのプールへいざ出陣!
お子様も、スイミングスクールの短期教室とか、申し込みの時期ですね!? スイミングスクール
も、たくさんあるし、クラブによって、特徴もさまざまです! 自分で足を運んで、見学をしてから
選ぶとよいと思います!