今日はブックレビュー回です!

 

 

 紹介する本は石原千秋著の『大学受験のための小説講義』です↓

 

 

 

これの序章のタイトルって実は「小説は何を読むのか、あるいは小説は読めない」なんですよ。

 

 

え、小説は読めない、だと????

 

 

小説は、それ自身が風化して歴史に埋もれていくことが内容に敢えてあいまいな記述や比喩を用いる。我々が、小説を何気なく読むときは、この小説が読ませまいとしている行間を読んでいるのだという。つまり、小説は、本来、小説が風化しないよう読めなくなっているのである。それを、我々は行間を埋めるというある種の奇跡的作業により読んでいるのだ、と。そして、それを我々に敷いているのが受験国語であり、受験小説なのだという。

 

 

あと、面白いのが、物語と小説の違い。

 

物語は、次に何が来るかという問いがメインで時間の流れに沿って、先を急ぐように読ませる作品。対して、小説はそれはなぜかという問いがメインで、まるで道草をするかのように、ゆっくりと読ませる作品。

 

この本の、後半部分には、この物語と小説の違いを感じさせる例題が載っている。

 

 

 

ある作品は、ザ物語だし、ある作品はザ小説って感じ。けれど、作品には、それらの中間の物語的小説も、小説的物語もある。

 

 

本の後半部分は、これらを物語から小説になっていくように配列させることで、その違いを読者にわかるように工夫されている。

 

 

 

個の後半部分の例題は、国立二次の記述式問題だけれど、前半4問はセンター試験の問題。

 

どれも、(私が小説に苦手意識があるのもあるけれど)難しめの作品なのかなって思った。

 

 

これ1冊読んだけど、それだけで小説が読めるようになったとか解けるようになったとかそんな風には思わない。

 

けれど、これを読んだことで、受験小説ってありだなって思った。もっと小説読んでみようって思えるようになった。

 

 

 

 

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