休業するお店が増え、駅前は閑散とし、ショッピングモールに入っている専門店もシャッターで閉まっている異様な雰囲気…。
息子が産まれた年にオープンさせた私達のお店。
危機的な状況を感じながらも、今やれる事を…休みなく営業し続けています。
休業したところで今、何の補償もない…。休業してしまったらお店がもたない…。
こんな不安な状況がいつまで続くのか…。それでも前に進むしかない…。
そう奮い立たせ、毎日店を開けます。
かつて私達のお店で働いてくれていたバイトのTさん。この方は東日本大震災の年に乳ガンでお亡くなりになりました。
体の調子が悪いなか入院する直前ギリギリまでシフトに入り、常に一生懸命働き続けるTさんに
『どうして毎日こんなに働くんですか?』とお聞きした事がありました。
《人生ってあっという間なんですよね。自分の余命を知った時、もっとやれる事をやっておけば良かったと後悔しました。だから今動ける時に精一杯働きたいんです。》
この言葉が深く刺さり、これまでの自分の行いを見直すきっかけとなりました。
私にとって、小さな子供を育てながらお店を続けていく事が、決して楽な道のりではなく何度も辞めたい、お店を続けていく事が出来ない…と、つまずく度に、苦しみ悩み泣いてしまった時、不思議とTさんの言葉を思い出しては踏みとどまり、こんなんじゃ駄目だと気持ちを改め、頑張ってきました。
今、やれる事を後悔しないように。
夫婦二人で、今回の目の前に立ち塞がるこの状況を越えてやる!って強く思い、店を開け続けていきたいと思います。