「し」の発音ができないので、治したいです、とお越しになった生徒さん。
「宜しくお願いします。」など、仕事中の会話も「し」の発音がしづらいとのこと。
「し」の発音ができない理由は、主に3つほどあります
1、「s」の出し方に間違いがある
2、「い」の母音に間違いがある
3、アゴの位置
上記のように、「し」の発音ができない場合は、子音に間違いがあるのか、母音に間違いがあるのかで、改善の方法が変わります。
いづれにせよ、発音の仕方に間違いがあることが原因のため、正解の位置に正すことができれば、「し」は発音できるようになります。
「し」が言いづらいと感じている場合は、他の「い」の母音がつく発音(きちにひみり等)も同様に言いづらい場合が多いのですが、
一方、他の言葉は発音できるが、「し」「ち」のみが言いづらい場合もあります。
「ち」の発音がしづらい場合は、『「し」「ち」の発音ができない理由』も併せてご参照ください。
「き」の発音がしづらい場合は、「き」が言えない原因へ。
原因が違うため、症状も変わってくるものですが、お一人お一人症状が違いますので、症状に合わせた滑舌矯正を行うことができれば、改善することができます。
それでは、「し」の発音ができない理由の3つを詳しくご説明します。
1、「s」の出し方に間違いがある
1、「s」の出し方に間違いがあるとは、子音の「s」の息の出し方に間違いがあるということ。
「滑舌トレーニング【さ行の発音理論】」でもご紹介しました通り、「s」を出し過ぎると、「しゃしゅしょ」のように空気が多くなりますし、息の流れが左右均等でなければ、発音はしづらくなります。
2、「い」の母音に間違いがある
「い」の母音の発音に間違いがある場合は、「い」を整えることが重要です。
「い」の発音ができない場合は、「きしちにひみり」等、「い」を母音に含む全ての言葉に言いづらさが出ます。改善をするためには、「い」を整えることが「し」の発音改善への第一歩です
母音の「い」の段、いきしちに、が言えないことを、側音化構音と言います。
詳しくは下記でご説明しています。
3、アゴの位置
「し」が発音できない場合は、アゴが必要以上に大きく開くなど、閉じるべき発音の部分で動いてしまう、開いてしまう、ことも原因の一つです。
これは、舌の位置が間違っているため、舌が上顎を押し過ぎるなどして、アゴが開いてしまう、というものです。この場合も、舌の位置を正すことができれば、アゴは正しい動きを自然としますし、言いやすくなります。
歯並びによるもの(開咬)も原因としてありますが、「歯並びは滑舌に関係ない?」をご参照ください。
生徒さんの場合は、「い」の母音に間違いがあることで、全ての「いきしちにひみり」等が言いづらくなっていましたので、「い」を整えるトレーニングを行い、子音を合わせてトレーニングを行いました。
そして、完全に正しい発音が出来た瞬間「!!!」と驚く生徒さん。
「今まで出していた発音は、こもっていましたが、「はっきり」と聞こえます。」とのこと。
ご自身の耳で聞いた時に、綺麗に聞こえるため、ご自身の出す音に驚いていました。
生徒さんの仰る「こもる」とは、声がこもる、のではなく、発音がこもって聞こえる、ということ。「い」を苦手としている方は、唾液の混ざる音がする、「し」が「ひ」に聞こえるなど、発音の違和感をお持ちです。
正解の「い」を調整し、「s」を整えたことで、発音が明瞭になった生徒さん
「発音も楽です。」とのことで、順調に「し」を克服しています。
これも、ご自宅でのトレーニングを頑張って頂いた成果ですので、
生徒さんの頑張りに大拍手です
的確に滑舌トレーニングをすると、発音はしやすくなるものです
引き続き、言葉を気にせずに会話ができるよう、トレーニングを頑張って頂きたいと思います
さ行が全体的に言えない方は、「【滑舌の専門家が分析】「さ行」が言えない5つの原因」でご説明をしています。
側音化構音については「側音化構音を治したい大人の方へ」をご参照ください。
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