芸人のパフォーマンスBGMでの音源無断使用 | 長坂憲道(作曲家、アコーディオン奏者)
2018年06月05日(火)

芸人のパフォーマンスBGMでの音源無断使用

テーマ:音楽著作権

おはようございます。

火曜日、1時間目から音楽の授業を頑張ってます。

今日と明日は2年生の歌唱実技テスト。

高等学校での授業ですから、単元ごとにテストを行い、評価をする。

各教科で3年間の積み重ねにより、高等学校卒業!という大きな資格を手にするために。

趣味・娯楽の享受の場ではなく、あくまで教育機関として。



今日の話題は、たまに回ってくる著作権の話題。

某芸人のパフォーマンスBGMが無断使用だとかパクリだとか騒がれてますよね。

この件とは全く関係ないのにJASRACも巻き添えで非難されたり(関係の無い問い合わせも既に沢山寄せられていることでしょう)(いつも本当にご苦労様です)。

誰がどう悪いって話は、飽きるほど見てきたので、これ以上僕からはお話し致しません。



 

僕は著作者の立場だからと言って、無条件で著作者側の肩を持つのか?と言われると、決してそうではなく自分の感想を書くのみです。



音源を作った著作者サイドからは昨日の時点で「問題は解決である」との宣言をしているように見受けられました。

一方で、芸人本人や所属事務所、作曲者サイドからは未だ正式なコメントが出されないままですよね。

また、著作者サイドとしては、金銭の要求や、金銭による解決でもないとコメントを出しているようなので、クリーンなイメージを維持できたように映っています。

温情解決したような印象かな?

ネット上の感情論では、きっと著作者側による「神対応」と言われるかも知れません。

が、実際にはテレビやラジオ、音楽業界との溝は一層広がったことが想像できます。

騒動の結果、メディア側がどういう対処をしたか一目瞭然ですよね?

その音源の配信は停止となり、その芸人がテレビや営業等で使うBGMは即時差し替えとなってしまったのですから、著作者にとって決して前進したとは言えない結果じゃないでしょうか。

気軽に広く使ってもらえることを目指していたつもりが、「面倒なことに巻き込まれたら困るから使わない」と考えさせてしまったのですから、この時点で本末転倒のような気もします。

メディア側からすると、神は神でも「触らぬ神に祟りなし」と思われたかもしれませんよ。



そもそも、放送局では権利処理や契約の対応がめんどくさそうな音源は、最初から使わない傾向にあるんですよ。

毎日、大量に権利処理業務を行いますので、個々に対応するのは大変であり、ましてや面倒に巻き込まれるのは御免なのです。

後々難癖付けられる可能性を孕んだロイヤリティーフリー、著作権フリー音源なんかに手を出してこじれるよりも、JASRACやNEXTONEで著作権管理がされている作品、または放送局専属、制作会社専属のクリエイターが書きおろした作品を使います。

ですので、プロの仕事としては、タダであることには特に魅力を感じません。(ここでは放送局の話しです)(今回の芸人や所属事務所の考え方がどうだったのかは知りません)



今回の事件では、ロイヤリティーフリーや著作権フリーとうたった場合のリスクや、個人で行う著作権管理の限界についてしっかりと考える機会にしなきゃいけないと思ってます。
 

あくまで無断使用やパクリは感情的にもそして法的にも許せない行為であるというのは大前提ですよ。

が。

今回の件は責任追及の意図が、相手へ正確に伝わらなかったからこそ、明るみに出てしまった事件であるように思えます。


平たくいうと、ナメられてしまったように想像しています。
 

いくら相手に法的な不利な点が見受けられるにしても、感情的手段 vs 法的手段では永遠に平行線ですからね。


スマートに解決させる知識と準備があるのなら、法的に選択の余地を絞り込ませる手法にて、合法的な範囲で相手に強くプレッシャーをかけつつ、早期に示談を持ちかける手法もありますからね。
 

今回のように正攻法の法的措置ではなく、ネット上のみで世論の感情を扇動し巻き込んだ対抗手法を先行させてしまうことで、今後に法的な解決の場へと動いた場合に果たして吉と出るのか凶と出るのか。

 


トラブルがあった場合に感情論を優先し、ケンカをおっぱじめた挙句、最終的に「大凶と出た」例を、僕らは目の当たりにしました(何の話か、ここでは敢えて挙げませんが、著作権にまつわる話では有名だと思います)。



特にクリエイティブコモンズの考えに賛同しているアーティスト達は、自分が同じ立場に置かれたら、感情論よりも先に何をどうできるのか?誰よりも冷静に見守りながら、よく覚えておくべき事件だとも思います。
 

法によってキッパリと線を引く必要がある場面では、余計な感情論は禁物。
 

感情で動けば動くほど不利な立場に陥る場合も。
 

一方、音楽を作るクリエーターは、自分の感情も非常に大事、そして作品を通じて伝える相手達も、当然ながら感情で作品を受け止める。
 

クリエイターという人種は、感情のやり取りに関しては専門家であると言っても良いが、法で冷たく線を引くやり方には不向きな人種であるとも思います。
 

音楽家が感情との狭間で、どこまで法律の専門知識を公平に正しく身に付け、それを冷静淡々とに執行することが出来るのか?
 

何かあった場合の対処法が冷静にチョイスできないのであれば、もはや個人で管理できる範囲を超えているんじゃないかなというのが今の段階での率直な感想です。
 

もちろん僕は泥棒の肩を持つ気は一切ありませんが、同じ著作者の立場だからといって、今回の権利者の感情に無条件で寄り添う気にはなれないのです。




じゃあ、どうすればいいのって?



まずは「著作権フリー」なのか「ロイヤリティーフリー」なのか、これをハッキリさせよう!

発信する著作者本人が、この違いを正しく知っておくこと。

著作権フリーとうたうなら、有償であろうと無償であろうと、誰がどう使っていても自由でないといけない。後になってからややこしいことを絶対に言うな!

著作権フリーだというなら、自分の作品は捨てたつもりでね。

後になってから自作品の権利が恋しくなるのなら、絶対に著作権フリーだとは言ってはいけない。

そういう場合は、著作権者はあくまでも自分であることをしっかりと主張し、「ロイヤリティーフリー(いわゆる印税的な分配金は要らないけど)」という場合なら、どこでどう使っても良いが、作者名を必ず明記してくれ!ということも必ずデカデカと書くこと。

これに関する解説も、めんどくさがらずに自分の責任においてしっかりと自由な範囲を明記しておくこと。

規約を読まないのなら絶対に使っちゃいけない!ぐらい厳しく書いておこう。

法的解決を要する場合、〇〇地方裁判所で・・・なんていう文章の書き方も、自分自身で勉強して抜かりなく書かなきゃダメだよ。



本当に広く使ってもらいたいのなら、そしてオトナとして堂々とやっていきたいのであれば、JASRACやNEXTONEと契約するのがおススメです。

著作権管理団体を毛嫌いしている場合ではないと思いますよ。

そうすると、金銭のやり取りや法律の難しいことでヤキモキせず、音楽づくりに集中できるようになると思います。

今回は日本国内のみの狭いレベルの問題でしたが、著作権管理団体との契約をすると、例え相手が海外にいる事業者でも、きちんとやってもらえますからね。

特にJASRACは「信託契約」の形ですから、著作者に成り代わって、まるで自分の作品のように大事にしてくれますからね。

今回の件も、JASRACやNEXTONEと契約があれば、そっちに任せておけばよかっただけのことなんですよ。

法的な手続きも金銭のやり取りも、ぜんぶやってくれます。



フリーだといって喜んでくれる人は所詮お金を買いたがらない層です。

お金を使いたがらない層を喜ばせたところで永遠に潤いません。


お金を使いたがらない層に訴求したところで、思ったほど拡大しません。

さて、難しい話でモヤモヤした後は、ウクレレとミニアコーディオンのネイロでほんわかしてくださいな。



音楽著作権の話しね、難しい話、面倒な話なのかもしれないけど、巷に溢れかえる著作権への言及は、非常にバランス感覚に乏しく、一方的な考えのものが多くなりガチです。

勧善懲悪的な感情論でスッキリしたいかもしれませんが、時にはモヤっとしながらも敢えて別の角度から物事を見てみることで、冷静に一歩引いて見ることができるようになりますからね。

そもそも著作権の当事者でない人たちの意見があまりにも多すぎますから。

ほんとは、無関係な人だからこそ「関係ないから詳しくは知らんけどな」と、公平且つ冷静な意見が言いやすいはずなのですが、気づくと簡単に被害者感情に巻き込まれてしまうんですよね。



今一度言っておきますが、僕は泥棒行為を肯定しませんよ。

犯罪者、加害者の肩を持つ気はありません。

が、被害者意識に同調する必要がない場面だってあるってことを知っておいて欲しいのです。



このブログで紹介しているようなアコーディオンの演奏動画を見て、いいなあと思っていただけましたら、是非とも長坂憲道のアコーディオン演奏動画チャンネル←クリックすると簡単に登録できますので、皆さん何卒よろしくお願いいたします。

「この曲をアコーディオンで聴きたい」と思いつき次第、コメント欄にて気軽にリクエストしてください。

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