外伝2  幻のエースナンバー 壱 | 打倒!ブラック企業!!

打倒!ブラック企業!!

勤めているブラック企業への・・・

仕返しだ!!
倍返ししてやる!!!

と、いうわけではなく

直属の上司に

スズメの涙ほどの
抵抗をしていくお話です。











7対0、ゲームセット。








わたしは天を仰いだ。





その目に涙は無かった。





わたしは、生涯最後の野球の試合で





マウンドに上がることが出来なかった。







ただ、悔しかった。












小学4年生の時、わたしは野球部に入った。





4,5才から幼馴染みとプラスチックのバットと





ゴムボールで毎日のように野球をしていたわたしにとって





それは極々自然なことであった。









入団時にポジション適正検査があった。





学年トップの運動神経と




遊びだが、野球に慣れ親しんできた為






お前はどこでもいけるな!





状態であった。





特に指先の感覚が抜群に良いらしく




他のポジションもやりつつ




ピッチャーをメインで練習することになった。






メキメキ上達する。






小学5年生にして、6年生に混じって





レギュラーとして起用されるようになった。






6年生のコンディションによって





どこでも穴埋めとして出場する。






特に守備に関して鉄壁を誇っていたからだ。






(オレオレ自慢ばかりでスンマセン・・・。)






この時、わたしと並んでもう一人






抜群の野球センスでわたしと同じく





5年生からレギュラーの子がいた。






Aである。






彼はそれこそ野球の申し子。





当時の監督は後に語っている。







「おれの最大の心残りは、





Aの才能を開花させてやれなかったことだ。





あいつは10年に一人の逸材。





高校やその先でも活躍できる素材だった。」






と。






悔しいが、わたしの名前が出ることはなかった。





そりゃそうだ。





私自身が、中学3年までやって





目の前でその才能の差を突き付けられたのだから。







ただ、小学6年生の時、Aはまだ眠れる獅子だった。





強肩、強打は恐ろしいものがあったが、





まだ、コントロールが無かったのだ。






小学校最後の大会、わたしは





エースナンバーを貰うはずだった。





が、その直前、わたしは怪我をしてしまう。






野球とは関係ない。





体育祭の組体操の、新技の研究だ。





完全に用心が足りていなかった。





マットも敷かず、床で




人の上に乗っていたのだが





突然バランスを崩した。





咄嗟に足から降りようとするも、





下の人に足首を掴まれ(これも反射的にしてしまったのだろう)





くの字を描くように、頭から落下したのだった。






ズドンッ!!!





頭と、右肘を強打する。






頭は反射的に左手でかばった為、大事には至らなかったが





右肘は、無防備に強打してしまった。





その痛みで、その夜は寝ることもできなかった。





次の日から、シップを貼って、包帯でグルグル巻きである。





ボールを投げてみる。





ズキッ!!!





ただでさえ痛い右肘に、激痛が走る。





ボールは、3メートルくらいしか投げられなくなっていた。






エースナンバーが、スルリとすり抜けていった。






抜群のコントロールで、エースの座は確定していた。






急場しのぎで、ピッチャーを選出する。






が、やはり最後の大会は試合にならなかった。






ピッチャーは四球を連発し、相手は何もせずに





押し出しで得点する。





絶望的な点差をつけられて、こちらの打線も沈黙。





コールドゲームだった。





わたしは右肘の怪我を監督に報告し、ファーストで出場していた。





当時のファーストレギュラーだった子、スマン・・・。











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