エピソード14  精神崩壊 | 打倒!ブラック企業!!

打倒!ブラック企業!!

勤めているブラック企業への・・・

仕返しだ!!
倍返ししてやる!!!

と、いうわけではなく

直属の上司に

スズメの涙ほどの
抵抗をしていくお話です。




冤罪。








罪がないのに,疑われたり罰を受けたりすること。


無実の罪。ぬれぎぬ。 「 -をこうむる」









この時、わたしは正にその渦中にいた。








前回のエピソードでも書いた事だが、




契約は確かに交わされていた。




物的証拠も存在する。









ましてや、






そもそもわたしには管理権限が無いのだ









仕事を取り仕切る役割を担ってはいたが、






結局のところ、会社の内側、外側、





設計としての視点、製造現場での視点





様々な角度での情報、資料を揃え、





上司へ説明し、一つの方向へ導いて行く。






最終的に納得して判子を押してもらって





初めて物事が決定する。








要は、管理権限の無い中間管理職であった。





立場は上から、下から、横から、斜めから挟まれ、





完全にガンジガラメであった。








そんなわたしが







決定していない契約を





勝手に一人で進め





勝手に設備を作り上げてしまい







会社に大損害を



与えたというのだ。








その損害額、実に、設備だけで









およそ2000万円





その後の社内生産をひっくるめると







単位の大損害であった。















我がH課のボス、L氏が眉間にシワを寄せ






腕を組んで、真正面に座っている前で






わたしは反省文を書かされていた。









「今回の大損害の全責任はわたくしうっちーにあります。




 決定されていない案件に対し独断でこれを判断し




 取り返しのつかない状態にまで進めてしまいました。






 今後はこのようなことが無きよう、周知徹底。





 全関係者共通の認識で仕事を進めます。




 対策として、今後は週3回の定例会を実施し、




 関係者を招集した上で情報の横通しを徹底します。」






 ・・・とか何とか。






 全く釈然としない内容であった。






 こんな文章、現場のボスO氏を敵に回した時も書いたなぁ・・・・








この文章を書きながら、




わたしは、自分の精神が




ボロボロと音を立てて




壊れていくのを感じていた。













あぁ、そうだった。





思い出した。







こういう経験は、2度や3度のことではなかった。








前にこんなことがあったなぁ。








事件その1






H課の師匠K氏が転属する前後、




わたしはある製品の最終仕上げに入っていた。





寸法測定箇所が600を超える複雑怪奇な製品。




形は出来てきていたものの、寸法NG箇所




まだ30箇所ほどあったのだ。




ただし、そのうちの約20箇所




師匠K氏が、すでに客先から機能上でOKとの




確約を得ているということだった。





残りの約10箇所をOKにする為




奔走するわたし。








ところが、実は、その確約がとれていない




ことが判明したのであった。






現場のボスO氏の指摘であった。





そしてその責任は





設備修正を担当していたわたし一人にあるとされた。





確約を取り損ねていた師匠K氏ではなく





指示を受けて、その指示通りに動いていたわたしであると。





「確約も取れてへんのに




 何を根拠に話進めとんじゃ



 ボケがぁ!!」







「いや、これはKさんの指示を元に動いて・・・」







「この期に及んで言い訳かコラァ!!




 そんなもんクソの役にも立たんわ!





 明日客先行ってすぐ話つけてこんか




 クソカスがぁ!!!」





わたしはその日、一人で徹夜で




打ち合わせ資料を作成し






次の日、片道4時間かけて客先を訪れた。





打ち合わせは深夜まで及んだが、




その日一日では終わらず




翌日に持ち越しとなった。





上司R氏と他の関係者合せて3名で訪れていたが





ほぼわたししか分からない内容であったこともあり





わたしただ一人を置き去りに、二人は帰っていった。





置き去りにされたわたしは泊まる準備をしていた訳もなく




ケータイで近場のビジネスホテルを探し、




コンビニで下着類を購入し




この日初めて、コイン投入式のケータイ充電をしたなぁ・・・。






次の日無事に打ち合わせが終了し




公共の機関で帰ることになった。





ちなみにこの交通費、宿泊費会社から




支払われることはなかった・・・。









それから事件その2





これは師匠K氏が完全に転属を終えた後であった。





会社から3時間半ほどかかる客先での打合せ。





納期が短く他社での生産実績がある製品とのことで




他社での設備図面をそのまま流用して




作ってほしいとの依頼であった。






しかしハッキリとわたしは反対した。




同じ図面でも、加工の方法やその仕上がりによって




設備は全くの別物になってしまうのだ。



 

それどころか、図面が完全にメンテナンスされ




最新の状態になっているかどうか疑わしい。





また、その設備を稼働させるのに設置される




更に外側の大型装置はメーカーも違う全くの別物だ。




わたしの経験上、完全な赤信号が出ていた。





しかし、同席していたウチの営業担当者(管理職)が言う。





「じゃ、イチから設計して、



 この納期に間に合うの?





・・・正直不可能であった。






「大丈夫だって。実際この図面で製品が作れてるんだから





 それなりの形にはなるって。その後、修正があったとしても





 みんなで協力するから!!頼むよ!!!







・・・そこまで言うなら・・・議事録もしっかり取ってくれてるし、




 これでいくしかないかぁ。











 しかし、やはり不安は的中する。









 全くデタラメな寸法の製品が出来上がってしまったのだ。







 そして、完全なる手の平返し待っていた。








営業担当者は言う。







「全くデタラメな製品作りやがって!




 完全に設計のお前の責任だ!!!





 こうならんようにする為に




 

 設計がおるんやろが!!!」






おいおい、全く話がおかしくなってるじゃないですか。





警告したのはわたしですよ?





みんなで協力しようって言ったのはあなたですよ?







「それはおかしいでしょう?」





正当に反論するわたし。






が、この営業担当者も管理職だ。






この会社、権力者が正義なのだ。




この件もわたしが一人で責任を負うことになり





後始末も当然わたし一人でやるしかないのだった。






そう、わたしは管理権限の無い中間管理職。





上層部の便利人。いつだって悪役。現場の敵。





こういった話は挙げるとキリが無い。




なんせ仕事は基本毎回こんな感じに進むのだ。






わたしは正に敗戦処理係




この先難航が予想される製品は




ことごとくわたしの担当になるのだった。










わたしは指示に対してキッチリと成果を残し、




自分が正しいと思う方向へ舵をとり




それを実現してきていたはずだ。









だがこの現実はどうだ?






おおよそこなせる分量からは程遠い仕事を押し付けられ








上から、下から、横から、斜めから過剰な圧力を受け






あらゆる仕事で悪役に仕立て上げられ





現場から反感を買い、完全な孤独に陥っている。













ふと現実に戻るわたし。





目の前ではL氏がわたしを睨んでいる。





ズキズキと頭の血管が脈打っている。





自分の精神が壊れていく。






この日の帰り道





わたしは車の中で言葉にもならない




叫び声を上げていた。





「ぁああ・・・ がぁぁああああ




 うぐおぁぁあああああああああ!!!



これを世間では発狂というのだろうか・・・。

















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