不登校は学校が合わない? 

「うちの子は、今の学校に合わないんですよ…」

学校に行きたくなければ、子どもの権利を尊重して行かなくてもいいのではないですか…。

という声を聞くようになりました。

 

 

確かにその意見も一理あると思いますが、残念なことに日本の場合は、アメリカと違ってホームスクールや学校に替わる場所が少ないのも現実です。フリースクールや不登校児の第三の居場所を作っても、そこでの子ども達が抱える根本問題を解決できる人たちがいなければ、単なる「場所の提供」になってしまいます。

 

不登校の第一の理由は、最近まで「イジメ」がトップだったのですが、2022年の調査で第一位は「無気力と不安」という結果になりました。

 

 

原因究明よりも、子どもの行動の目的を知ろう! 

一般的に「学校に行けない原因は何か?」とか「無気力と不安の原因はどこにあるのか?」と追及したくなります。

原因があって結果になっているのだから、原因究明をするべきだという考え方です。

 

 

ところが、原因を追究したところではっきりとした「原因」など誰にもわかりません。

・先生が嫌いだから。

・友達と仲良くなれない。

・つまらない。

・なんとなく行きたくない。

・学校になじめない。など…

 

そもそも、先生や友達など自分以外の人たちを変えることはできません。

変えられないことを悩んでも、問題解決にはならないのです。

 

私が関わってきた不登校の子ども達には、自分でも分からない「理由」があったりします。

そんな時に、アドラー心理学は効力を発揮します。

 

因みに、アドラー心理学では、原因追及をしません。その子の行動には意識的であれ、無意識的であれ「目的」があると考えます。人によっては原因を知りたがるかもしれませんが、原因を追究しても、残念ながら行かない理由の解説にはなっても、解決にはならないのです。

私たちは、無気力や不安だから学校に行けないとは考えません。

 

 

学校に行きたくないから「無気力や不安」を作り出していると考えます。

 

 人はメリットがある方を選ぶ。 

人はデメリットを避けて、メリットがある方を選びます。

もし、デメリットを選ぶとすれば、何かよほどの目的や信念があってのことでしょう。

通常は、自分にとって都合の良いメリットの方を選びます。

 

ましてや、それが発達途上の子どもの場合、その傾向は顕著に表れると思います。

不登校の子ども達にとっては、学校に行くことは自分にとってデメリットだと考えているのです。

では、その子にとってのメリットは何でしょうか?

 

学校に行かない理由を見つけて伝えた方が、子どもにとって都合が良いのです。

ましてや、その理由を「陰性感情」と共に訴え、序でに身体症状に出したり、親が心配するような理由や行動にでるならば「無理して行く必要はない」と親からお墨付きが出るでしょう。

 

「学校に行けなくても仕方がない」というお墨付きをもらった子どもは、平常に戻ります。

毎日好きなことをして暮らせばいいのですから。

 

行かないことによって、目先の問題は解決がついたかのように見えるかもしれませんし、親も「仕方がない」「これがうちの子のあり方だ」と納得せざるをえなくなります。しかし、残念なことにその子の「根本的な問題」は一向に解決がつかなくなります。

 

問題は学校に行くか、行かないかではないのです。

不登校という現象からその子の「根本問題を理解して解決に導かない」と、後々、その子自身が不自由な人生を生きていかなければならなくなるかもしれません。

 

私が見てきた、「根本問題」とその「解決方法」について次回のブログで触れたいと思います。