言葉の力 第七話 | うつ病予防の為に~一銀クリニックブログ「心の処方箋」

うつ病予防の為に~一銀クリニックブログ「心の処方箋」

平成25年、沖縄タイムスにて好評連載後、書籍化されたメディカルエッセー『心の処方箋』。
その著者、一銀クリニック院長の城間功旬が、うつ病予防の提案として“言葉の力”をお届けします。
皆様の心の悩みを軽くする読むクスリになれば幸いです。


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「うつ病には物語がある」事を知っているとうつ病を予防出来る

 

うつ病には物語がある。
エネルギーレベルが徐々に低下していき最終的にほとんど枯渇してしまうという物語である。

 

「物語」には「起承転結」があり、エネルギーレベルの低下の段階を、「起承転結」に当てはめて説明する。
ここでは「なるほど、このようにするとうつ病になるのだ」「この時に気をつけたらたらうつ病にならなくて済むのだ」という事を理解していただけたらと願って書く。

 

物語の始まり「起」は、とても気になる出来事(「家族・対人関係の問題」「健康問題」「経済問題」「仕事上の悩み」など)が発生すると、心の底の色メガネ(偏った物の見方)が意識へ「執着するように」と指令を出し、意識がその出来ごとに長時間捕われ続けるため、エネルギーのロスが始まる。

 

「承」は出来事に意識が捕らわれ続けた結果、エネルギーレベルが低下して行き、その人特有のストレスの症状が出る。
体から「頭痛・肩こり・目の疲れ・朝が起きにくい等」、心からは「憂うつ・不安・イライラ・集中力の低下・軽度の睡眠障害等」である。

 

「転」はさらに強い睡眠障害が二週間以上続くと、脳の疲れが回復しにくくなるため、翌朝までに疲れがリセットされず、疲れは溜まる一方になり、ストレスの症状の数が多くなる。

 

さらに深刻なエネルギーレベルの低下の状態である「結」はとうとうエネルギーのダムが枯渇してしまい、「意欲の低下」「興味関心の低下」の症状まで出て、家事・仕事・学業が困難になり、さらに日常生活にも支障が出る状態に達する。
ここまで来ると、うつ病・うつ状態と診断されうる。

 

これがうつ病の発症の物語である。
出来れば「起」の段階で、無意識の色メガネから意識が考えに捕らわれている事に「気づいて」、捕らわれから離れて考えを切り替えて、エネルギーをロスしないようにコントロール出来る事が望ましい。
あるいは、少なくとも「承」の段階で、ストレスの症状に「気づき」、考えの切り替えが出来れば、うつ病まではいかない。

 

ストレスの症状に気づく事が出来ない、あるいは気づいても考えの切り替えが出来ないために、「転」の睡眠障害が長引き二週間以上続く場合は、かかりつけの医師か心療内科へ睡眠が取れる方法のアドバイス(考えの切り替え・運動散歩・生活リズム・日光浴・安定剤等)をもらって欲しい。
「結」まで来てしまい、家事・仕事・学業に支障をきたしている場合は心療内科への相談をおすすめします。

 

このように、うつ病には「起承転結」という物語がある事を知っていただいて、うつ病の手前の段階で早期に気づいて対応する事で、うつ病までいかずに済む事を知っていただきたいのである。

 

イラスト:ウエズタカシ

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