この日(10/21)の日本シャンソン館Liveは江口純子さんの弾き語りでした。独特の語り口で進行する「江口ワールド」は、いつも「たおやか」で、「優しい」時間がゆっくりと流れていきます。

 

 本日はバルバラ「ゲッティンゲン(Göttingen)」を取り上げてみたいと思います。

 

 まずは2021年の《月夜の子猫》の映像から、江口さん自身の語り、そして歌声をどうぞ。

 

 家に帰り、久しぶりに『一台の黒いピアノ・・・』(バルバラの未完の回想録)を引っ張り出してみました。

 

 

 

 「ゲッティンゲン」誕生の物語を抜粋(要約)してみたいと思います(p.139〜)。

 

 1964年初頭、ドイツのゲッティンゲンの劇場のディレクターから出演依頼があった。

 (ユダヤ人である私が)ドイツに行くことなど問題外であった。

 

 (何度も熱心に依頼が届くと...)私は突如、気を変え、同意する意思を告げた。

 

 ひとつの条件として、黒いコンパクトグランドピアノが必要だということを付け加えた。

 

 1964年7月、私はゲッティンゲンに向かった。

 

 (ステージに用意されていたのは)二つの燭台のついたアップライトピアノであった。

 

 やがてグランドピアノを持つ老夫婦から借り受け、学生たちによってステージにピアノが運ばれてくる。

 

 公演は大成功で、八日間延長された。

 

 滞在最終日の午後、劇場の小さな裏庭に腰掛けながら、「ゲッチンゲン」を下書きした。その夜、劇場でこの歌詞を読み上げ、未完のメロディに合わせて歌った。

 

 こうしてバルバラとドイツの人々との「和解」、そして新たな「友情」から生まれたのが「ゲッティンゲン」でした。

 

 最後にバルバラ自身の歌で「ゲッティンゲン」をお聴きいただきましょう。

 

 

 こんなドキュメンタリー映像もありました。