うたたねでは、家具の修理や補修のご相談を承っております。

古い家具や、壊れてしまったものの修理、住まいや暮らしに合わせて

家具をリフォームすること等、新しく作るだけではなくて

既存のものを活かすお手伝いをしております。

 

先日、古い家具の修理のご依頼がありました。

フランスのアンティークのスツール。

 

 

 

ふっくらとした座面と装飾的な脚が特徴のピアノスツール。

ナポレオン三世様式、アンピールスタイルなどと呼ばれる、

重厚感のあるデザインです。この時代の家具は、マホガニーなどの重厚感のある

木材の色や、黒い塗装が施されているものが多い様です。

シックな雰囲気で趣がありますね。

 

 

脚の貫の部分にも装飾が施されて、

あえて緊張感のある構造にしてあり、遊び心も感じられます。

 

お預かりした段階で、脚の部分は、接合部がグラついていて

座れる状態ではなくなっていました。一部は割れたり、破損もありました。

 

今回は座面はそのままで、

脚の部分を補修して組みなおす修理をさせて頂きました。

 

 

アンティーク家具の場合、接着剤には膠が使われていることが多いです。

組みなおす場合は、一度その古い接着剤をきれいに掃除します。

電気ごてで溶かしたり削り落としたりする作業。

 

 割れていた接合部分。

壊れていたパーツは新たに加工していきました。

 

 

脚を組んで固定しました。修理の工程はだいぶ端折ってご紹介していますが、

アンティーク家具の場合は、過去に修理した跡などが残っている

場合があります。今回のスツールも少し手を加えられているところがあり

そういう補修の後をみて昔の職人さんが、どんなふうに家具を扱っていたか、とか

大事に使われてきた形跡を知ることが出来ます。

 

 

古い家具からは学ぶことがものすごく多いです。

フランスで長く愛されてきた家具が、こうしてここ大阪にある、という不思議な感じ。

モノづくりに携わる者としては、感慨深いものがあります。

当時これを作った人は、数百年後に、これが遠く東洋に運ばれていくことを

想像できていたでしょうか。

 

うたたねでは、新しく家具をつくることはもちろんですが、

既存の家具の修理、メンテナンス、リフォームにも力を入れています。

永く使うことは、資源を守ることだけではなく、文化を守ることにもつながります。

モノを大切に扱うことで、心や暮らしが豊かになると考えています。

そして、作り手としては、家具の修理は 想像したり、創造したり、という感じで、

面白くて興味深くて楽しい!

 

家具の修理について、何かご相談があれば

どうぞお気軽にご連絡下さいませ。新旧洋邦問いません。木製以外も

ご相談に応じます。(中には修理不可の場合もありますが、まずは

無料でお見積りさせて頂きます)

古いもの、今あるものを長く愛用できるように、上手に活用していきましょう!