兵庫県と東京都でヨガ教室を開かれている
「トモ・ヨーガ」渡辺顕さん(45)渡辺トモコさん(41)
今回はレポーター[飯川と土性]がお二人の自宅兼教室をお邪魔させていただきました。
「この人がヨガをしていたから僕ははじめたんです。」
と顕さんがトモコさんを指さしヨガをはじめたきっかけを笑顔で語った。
そのトモコさんがヨガと出会ったのは10才、きっかけはヨガブームに乗っかり
「お母さんが買ってきたヨガの本」。
やがて息抜きのように見よう見まねでヨガを続けていたらその効果に気づき、
20代から本格的にやりはじめたと本人は語る。
以前は芸術大学の助手や美術教員をされてきたトモコさん、
現在は夫婦でヨガ教室を営む傍ら
夢だったフリーランスでイラストレーターとしても活動中。
顕さんもまた会社員の後、トモ・ヨーガの代表をされています。
兵庫県にある「柏原」というまち。
どこか懐かしい町並みに佇む築100年以上の古民家に震災後、
東京から今のお住まいに引っ越されてきました。
数種類に分類されるヨガ。
お二人は昨年「ハタヨーガ」
という肉体を整える運動として伝えられてきたヨガの勉強をするため、
尊敬する師たちの源流であるリシケシュを訪れ、実際にアシュラムに住み、
修行された経験があります。
なんと、遠く離れたリシケシュから今の物件を探されたのだとか。
引っ越してきた当初は家の真正面がお寺であることや、散歩中のお年を召された方や
学校帰りの高校生も、まちの人は「みんな」に挨拶をすることに驚いた。
顕さん:里山が綺麗で「土地の人が愛している環境」がとても気に入っています。
環境という話題が出たところで、
ヨガも環境に影響されやすいことを教えてくださりました。
相応しくない環境は光が強すぎるところや十分なスペースが確保できないところなど。
そのため、教室内では必ず一人二畳分のスペースを設けている。
意外だったのは音楽を聴きながら、ということも良くないのだとか。
顕さん:つまり「気持ちが外に向いてしまうから」なんですよね。
目的は心と体のコントロール、そして最終目的は瞑想。
いわばヨガは「瞑想に入る前の準備運動」と語るトモコさん。
(体をほぐす段階で心を整えていくことが大切。
なるほど、その際に気が散らないように環境を意識することも大切なのか。)
生活面においても意識をされていることがいくつかある。
食事、食卵や乳製品は食べるが肉や魚は食べない。
そしてタバコ・酒・テレビなどの娯楽というものを捨てたこと。
それは何かに依存していくことを無くしていく作業のように。
(まるで日本の僧侶と同じような暮らしぶりに
驚く我々に向かってニコッとされるふたり。)
顕さん:でも、お菓子とか家にあればたまに食べちゃいますね。
美味しいものは美味しい。
(そう言って顕さんは手づくりちゃぶ台の上にあったお菓子をパクリ。
しかしおもてなしにいただいたメキシコのお菓子と
トモコさんが淹れてくれた温かいお茶は本当に美味しかったのだ。)
トモコさん:自分を信じられるようになるんです。
「必要か不必要でないかわかってくる」というか。
ありのままでいいんだなって。「自分と向き合う時間」ができるから。
顕さん:そうそう、あと
「必要な時に必要な人が現れる。また、必要な時に必要なものが与えられるんですよね。」
ヨガっていいですよ、幸せだなぁ。
自分の中にある幸せを見つけ出すヨガを「始める前」と「今」について伺うと
トモコさん:入院中から退院した直後のよう。
顕さん:服役中から出所したように思う、鳥が鳥籠から出されたような。
と、ユニークな表現でゆっくりと答えてくださった。
開放感を存分に味わうことができるヨガは歌ピクのライブステージでも行われ、
未経験の方も大歓迎。最後に歌ピクに来られる方へメッセージをいただきました。
「当日は渡辺顕がヨガをレクチャーします。
(残念ながら今回トモコさんは別件のため欠席)
会場のやわらかい芝生は気持ちよくてヨガをするには最高です。
何事も「はじめの一歩」が大切で
皆さんがヨガを始める、きっかけになればいいなぁと思います。」
前文で環境について触れたが、歌ピクでは大地のエネルギーを全身で感じて
ヨガができる素晴らしいの空間となり、そこで幸せな時間を分かち合えるだろう。
歌ピクのコンセプトは「何にもないは資源です。」
『空気がほほえむ』というキャッチーコピー。
あるのは歌って踊れるくらいの広い大地と空。
アスファルトでないやさしい地面と、秋色に染まった自然。
なにもないからこそのステュエーションを堪能することを楽しみに、
絶好の行楽日和になることを祈ります。
(文章・絵/飯川友紀子)