矢印というのは文字どおり「矢印」のことで、先端(頭)と尾があるものです。
弓矢が刺さる方が頭で、反対側の持って安全な方が尾です。
パソコンのカーソル(マウスで動かすやつ)も矢印です。
この「矢印」を足し算するという話を、以前に寺子屋数学シリーズでの講座内で解説しました^^
矢印とは「ベクトル」のことです。
今度の寺子屋(「ファインマンの量子電磁気学(QED)」)でも、「矢印の足し算」が登場するためこの記事で改めて確認をしておきたいと思います!
これは至ってシンプルな方法です。
矢印の足し算とは、矢印と矢印を「つなぐ」ということです。
2つある矢印をつないで1つにしたり、3つ以上ある矢印をつないで1つにするのが「矢印の足し算」です。
具体的に解説します。
ただ、僕が普通に解説してもつまらないので、ここでファインマン先生に伝授して頂きます!
(注は挟んでいます。)
(引用開始)
さて、矢印を合せる方法を伝授するとしましょう。今仮にxという矢印とyという矢印を合せるものとしますと(図8)、どちらの矢印の方向も変えないまま、yの尾にxの頭をつなぎ、xの尾とyの頭を結ぶ矢印を引けば、これが最終矢印になるのです。
※(図8)とは下記の図で代用して考えてください。
(実際は書籍に図が入っています)
「xという矢印」が赤い矢印で、「yという矢印」が青い矢印です。
そして「最終矢印」が緑の矢印となります。
(引用再開)
種もしかけもない。ただこれだけのことです。この通りにやってゆけば、矢印が何本あったって、いくらでもつなぐことができるわけです。(専門的な言い方では、これを「矢印の足算」と言っています。)
(引用終了)(光と物質のふしぎな理論 私の量子電磁力学 p.31)
光と物質のふしぎな理論―私の量子電磁力学 (岩波現代文庫)/岩波書店これが「矢印の足算」の方法です!
2つの矢印を「向き」と「大きさ」をそのままに移動させ、そしてつなぎます。
つなぐときには必ず矢印の先端(頭)と尾をつなぐのがルールです。
もしも矢印が3つ4つあった場合も、同じように先端(頭)と尾をつないでいけばOKです。(ファインマン先生はその様子を「ダンス」と呼びます。)
そして「矢印のスタート」と、「最後に行き着いた矢印の先端(頭)」をつないで、1本の矢印(最終矢印)にすれば足し算の完成です!
ちなみにこれは数学のルールなので決まっているやり方なので、ひとまずそれ以外にcreativeさを発揮するのはなしです^^;
ファインマン先生は、この矢印(ベクトル)の足し算を使って「確率振幅」の説明します。
「確率振幅」という矢印を足していき、そしてその矢印の長さを2回掛けると「確率」になるというのが量子電磁力学のアイデアです。
このアイデアで光の「直進」も「反射」も「屈折」も全て説明することができます!
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- なお、途中の矢印の図はこちらのサイト様より使わせて頂きました。