皆さん、お久しぶりです!

いつもながら、更新が滞っていて申し訳ありません。

さる2/28()、私たちは根津に事務所を置く「オッケトンム」(http://www.okketonmu.org/)という団体にお邪魔して、お話を伺ってきました。

「オッケトンム」は、脱北者の支援、なかでも帰国事業によって日本から北朝鮮へ渡った人々およびその子孫を支援しておられる団体です。代表の小牧さんが以前土井ゼミに来てくださったご縁で、今回のお話を頂きました。

~当日の流れ~

・映画「海を渡る友情」(1960年 東映 文部省選定児童劇映画)を視聴

・帰国事業により日本から北朝鮮へ渡り、その後脱北した経験をお持ちの韓圭錫さんによるお話

・班員との質疑応答

今では注目度の低い帰国事業ですが、日朝関係の現状を理解するためには避けて通れない問題です。在日朝鮮人の父と日本人の母をもつ子供を主人公とする今回の映画からは、当時の日本がいかに帰国事業に対する歓迎ムードに満ちていたかが伝わってきました。そうしたムードの中で、多くの在日朝鮮人・韓国人の方々、そして彼らの家族である日本人が、北朝鮮へと渡っていったのです。

韓圭錫さんは、明らかな犯罪である拉致問題とは区別して、一応は合法的であるものの多くの被害者を産んだ帰国事業を「社会的な犯罪」としたうえで、帰国事業被害者の帰国なら、自らの犯罪行為を認めなくてよいので北朝鮮政府も応じやすく、日朝関係打開の糸口になると仰っていました。また、北朝鮮での生活についても、具体的にお話してくださいました。

大変興味深いお話を伺えました。小牧さん、韓さん、ありがとうございました。

※帰国事業について知りたい方のための読書リスト

『北朝鮮帰国事業‐「壮大な拉致」か「追放」か』(菊池嘉晃著 中公新書)

『北朝鮮へのエクソダス 「帰国事業」の影をたどる』(テッサ・モーリス・スズキ著 朝日文庫)