【湾岸戦争で思うこと】 | 碓井法明オフィシャルブログ「本物をやろう!!」Powered by Ameba

【湾岸戦争で思うこと】

まさに湾岸戦争は、イラクの雄羊「サダム・フセイン」が自国のイラク国民の幸福を考えず、世界相手に戦争をしかけ、原油の放出で青く波静かなペルシャ湾を「死の海」に変えた。「核、化学・生物兵器の使用を辞さず」と明言し、まるでアラビアの大王の亡霊やナチス・ヒトラーの悪夢を再現したサダム・フセインも、正義の裁きにかけられ、今やこの世の人ではない。

 世界平和の確立がいかに困難なことか、人間の持つ「権力への悪業」というものに今更ながら驚き悲しむものである。

 こうした戦争が勃発した時、国際平和都市として広島は何をすべきだろうか。広島市長に「平和の使者」として対峙する国に即時停戦を訴えに赴いてもらうというのも手であろう。市民は、即時停戦を求める百万市民署名運動を行い、市長の平和行動の手助けをしてはどうだろう。

 広島市は命の尊さ、平和の大切さを身をもって経験した、世界平和の原点であり、平和の発信地である。平和が広島市のシンボルであると考える時、市長による平和メッセージは、戦争勃発同時に出す必要があると思う。

 平和こそが繁栄した社会や安定した市民生活をつくり出す原点であり、かつ世界経済の活力の基盤となる。平和への訴えこそが、世界に対する広島の最大の武器となろう。

 

 武器といえば、湾岸戦争でイラク軍が使用したものは、もとを正せば旧ソ連、アメリカ、フランス等の死の商人によるものだという。第一次世界大戦、第二次世界大戦時にも言われたことだが、こうした兵器により罪のない人民が常に犠牲になり、笑うのは死の商人側だけというのは不条理だ。国連が中心となって、きちんと条約を定めなければ、第二、第三のフセインが登場するだろう。

 湾岸戦争は、イスラエルの忍耐と英断によって第五次中東戦争にまで発展しなかったが、イスラエルとパレスチナの問題解決はどうしても成さなければならない課題である。パレスチナとイスラエルの共存を認める国連決議を実行し、今後の紛争をなくすことが大切ではなかろうか。また、世界の武器輸出問題、パレスチナ問題を見ても、国連の強いリーダーシップが不可欠である。国連が本来の役割が果たせるように、早急に強化策を考える必要があろう。



 湾岸戦争を、まるでSF映画を観るかのようだったと述べたが、五年後の一九九五(平成七)年一月、私は日本で実際に地獄絵図を目の当たりにすることになる。あの八月六日を彷彿とさせたのは、阪神大震災であった。