先だって、私が購読している新聞の読者投稿欄に介護施設職員の「本音」が載っており、その内容があまりにも私の親がお世話になっていた施設の状況と違っていたので、それに対して私も本音を書かせて頂いたが、本日も又、その介護職員の言い分に「同感」とする(軽度の要介護者の)施設職員の「本音」が掲載されていた。

この職員は、『要介護の利用者から「食事が合わないから、今すぐパンを買ってきて」などと言われたり、家族には、「高い家賃を払っている分、言う事を聞いて」と言われたりする』と述べている。

http://matome.naver.jp/odai/2142459464649328901/2142461012865971303

 そして、介護とは、「残存機能を生かし、出来る事は本人にして頂き、自立の支援をすることだと思う」と言っている。



*介護の基本は、正しく彼女の言っているとおりで、これは、介護の教本にも書いてある。

利用者や家族が、前述のような無理な要求をした時、何故この方は、それが良くない事だと説明しないのか?

プロであれば、要介護者にとって「良い」事を説明する事も仕事の内だ。

又、投稿者は、介護の仕事が好きだが心が折れそうになり、「利用者は、弱者だから」と言い聞かせているとの事


「利用者は弱者」だと思っていたら、わざわざ、一部の利用者や一部の家族の発した言葉に非難の感情を込めて(立腹した思いが文面からひしひしと伝わってくる)投稿するだろうか?大変な矛盾を感じる。

この「本音欄」に投稿される介護職員の文言は、どれも私にとっては到底あり得ない出来事だと思った。


 今まで、親がお世話になった施設や介護事業所は、高圧的で横柄、こちらから要望など一言でも言おうものなら、要介護者が虐待されそうな雰囲気だった。

勿論、後に別の事業所に変えたが、それでも、この職員の言うような家族や利用者を見るような事はなかった。

私は、介護事業所の支援相談員の要請、例えば、今後の計画の「相談」は、朝一の9時半(私が相談場所まで2時間半以上掛かる事を承知で)に予め向こうが決めて連絡が入った。

有無を言わせない決定後の事後連絡だ。

私の都合が悪い(もう少し遅い時間にしてほしい)事を「要望」すると「こちらも都合が悪いんです・・・」と言われ、“お世話になっているから”という思いもあって、それに従ったのだ。(介護を提供する側は、如何なる事があっても、要介護を必要とする利用者や家族よりも、強力な権限を持っている強い立場に居るのだ。これは、まぎれもない真実で、だから、介護施設で耳を疑うような「虐待」が行われるのである)

 施設職員の言うように、特に重度要介護の人々は、『超弱者』で有る事を忘れてはならない。

生活保護者を同じ市民がバッシングするような愚劣で卑怯な思考を感じた。

「愚痴」には、愚痴の対象になった人々に嫌悪感だけを残すと自覚されるがよいと思った。

こんな思考で介護されたら、要介護者は正に「囚人」の如くだ。

反吐が出る程の「殺す側の言い分」に、朝から吐き気がした。


☆私がしていた仕事は、人を相手に業務を行っている業種だった。

犯罪と思われる以外の出来ごとは、如何なる理由でも(匿名であっても)他言してはいけないという規則があり、噂をしても愚痴を他人に漏らす事も厳禁だった。(解雇の理由になった)

だから、どんな難題があっても、社内で解決するのだ。難題や睡眠障害になる程の問題があった時も、他言無用。

公の場で、顧客の噂をする事など、到底考えられない。

だから、この職員のように新聞のような衆人の目に触れる場所で、利用者を引き合いに出して愚痴を言うという行為が考えられない。(守秘義務が無いのか?)

心が折れそうなのは、重度の要介護者を介護している「家族」であり、介護を生業とするプロは、それを支えるのが仕事の筈だろう。甘えた考えは捨てて、もっと己を律する事が必要だと思った。