食後の珈琲タイムの始まり。
パシャリ。女は写メを撮った。
この後の女は珈琲を飲む。
そして当然の事ながら黙りする。
とりあえず、
個人情報保護法やプライバシーの権利と言うのがある為に、
今日1日の彼女の事について、
実を言うとここ最近の事も含めてになるけれど、
一先ずは、彼女の今日1日について。
今の所、ざっくばらんにお話しする事は出来ないし、
しないし、いずれするかもしれないが、
それはご理解とご協力を賜る他、
今は思い浮かばないのだけれど、
もし仮に、
彼女の今日1日の事、
例えば彼女が何を身に付け、何処へ行き、
そこで何をしながら誰と何をして過ごしたのか、
どんな事があった、したなどの、
今日1日の彼女の出来事を事細かく知りたい人がいたとすれば、
それは紛れもなく彼女のファンであるとは思うけれど、
彼女に変わってありがとうございますとお礼をし、
話は戻るけれど、
念の為、
彼女の制度的な人格と色々を尊重する為に、
今は一先ず日本の法律と、今の社会情勢に従う事にする。
詰まる所、
朝の珈琲から夜の珈琲にかけて、
女は無意識のうちに過ごしてきてしまったと言う。
彼女らしいと言ったら彼女らしい発想になるのかもしれないけれど、
今日1日取り立て何もして来なかったと言う訳ではなく、
どうやら肉体的な、と言う意味らしい。
彼女は、
自分と肉体は全くの別物だった、
熱や驚異と言ったエネルギーを消費する事とは程遠い所にいながら、
無意識に今日1日も過ごしてきてしまったと言う。
私からすれば不可解で心中穏やかではいられず、
ちんぷんかんぷんな事だったけれど、
更に聞くと、
女は筋肉に力を加えなくとも動けたし、
何をするにも負担がなく寧ろ清々しい位だったと言う。
時計を見、辺りを見回し、歩き、
時間がくるその時までを実に色々な事をして過ごしたらしい。
事実、
女の今日の1日は、も、とても素晴らしく、
羨ましさの反面心配もあったし、
それは勿論本人も認め、自覚もしている事だけれど、
今の所この件については割愛し、
ただ、今の自分は完全にとまでは言えないけれど、
食べるや寝る、飲む等と言った事以外は、
物質的な生活の圏外にいる気がしてならないのだと言う。
そして最後に女は言った。
いずれ来るその時までは、
今日見てきた事、してきた事はこれから先、
二度とない事なのかもと。
うん、私もそう思う気がする。
とりあえずお風呂入って歯磨いて寝よう。
完
