最後まで何も起こさせずに完勝 ~ 第15節・ホーム東京V戦 |  うさぎおやじ日記

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 FC町田ゼルビアのことなど、気の向くままに

公式戦で初めて相まみえた時、われらがFC町田ゼルビアはJFLでした。その2年後には同じJ2でしのぎを削るようになり、ついに今回J1というトップカテゴリーで東京ヴェルディ戦を迎えることとなったのです。

東京クラシックという名称は、個人的にはそれほど好きでもありませんでした。少年サッカー界でのことは別として、トップチームの実績に大きな隔たりがあったことがひとつ。そしてもうひとつは私が「東京」に対してあまりこだわりがないということ。

しかし対戦回数を重ねるに連れ、メディアでこの名称を目にする機会も増えて来ました。少しは浸透しつつあるのでしょうか。Jリーグの盛り上げにつながるのならこの名称も悪くないのかもしれません。

前節から中3日、スタメンには変更がありません。ベンチには久しぶりに奥山(政)が入りました。

 

ゴールかと期待させた最初の機会はペナルティーエリアへの藤本のボールにU23のふたりが走り込んだ場面。どちらも合わせられずにそのままボールが抜けて行ったことに落胆しましたが、ほどなく先制点はもたらされました。右サイドからの藤尾のクロスをクリアしそこねたヴェルディの選手によって。

鈴木から仙頭そして藤尾へとつながったパスの前に、平河が体を当てられながらも倒れずにキープしていたのが効果的だったと、DAZNを観てあらためて感じました。オセフンもゴール前にいたので相手としては無理にでも足を出さざるを得なかったのでしょう。

 

前半の内に取ることができた追加点は藤尾翔太のヘディングから。鈴木のクロスにダイビングして合わせました。

そういえばこれまでアウェイでばかり決めていて、ホームでは初めてだったのですね。

この後も前半終了間際、林のスローインをオセフンが頭で流したボールをシュートして、藤尾には2点目のチャンスもありました。

 

 

ヴェルディは翁長がスタメンだったのですが、45分で早くも交代。後半はメインスタンド側でのプレーになるので楽しみにしていたのに残念でした。

 

これまで見ることのできなかったこの画像がこの日2回目の登場。藤尾のPKでの得点です。倒された平河が蹴るのかなと一瞬思ったのですがキッカーは決っているのでしょう。

主審が笛を吹かずにしばらくプレーが続いたので、取ってもらえないのだなとあきらめていたのですね。オンフィールドレビューからPKとなった時にはもちろんガッツポーズ。この時点ではまだ決まったわけでもなかったのに。

 

70分、藤本→ナサンホ。

 

77分、仙頭、オセフン→下田、デューク。

 

80分、スーパーなボレーシュートが飛び出しました。意外な選手と言ったら怒られそうですが、林のロングスローを跳ね返されたところに合わせたのは柴戸海

これまでの試合でも攻撃にからんでくることはありましたがシュートを打っていた印象はあまりなかったので、この左足の一撃には驚愕です。

 

前々節の鹿島戦では3点差を追いつくなど終盤に強いヴェルディだけに油断はできないと感じていましたが、ゼルビアは昇格後初の4ゴール。もう野津田はお祭り騒ぎです。しかしこれでもまだゴールラッシュには続きがありました。久々の出場となる奥山と共にピッチに入ったエリキに、待望の復帰後初ゴールが生れたのです。

途中から入った下田が柴戸に負けじと放った強烈なミドルシュート、これをマテウスが弾いたところを頭で押し込んだのがエリキでした。オフサイドかもと思わないでもなかったのですが映像ではまったくそんなことはありません。それだけヴェルディの選手より反応したのが早かったのですね。

 

クリーンシートにこだわって大量リードにも気を緩めることのない黒田ゼルビア。相手にゴールに近づくことを許しません。前線のデュークも必死で走っては相手のボールにチャレンジします。

終盤に何かが起きることの多いヴェルディのゲーム。しかしこの日の野津田では何も起こさせませんでした。彼らの負け無し記録を11試合で止めたのです。

J1では初めてとなる藤尾のホームでのヒーローインタビュー。オウンゴールを誘発したことを含め、ほぼハットトリックと言っても良い活躍ぶりでしたね。

マイクを向けているのは高木聖佳さん。

中3日でまたも観ることのできた喜びの光景。アウェイも含めれば15試合で10回もこのような体験ができるとは、熱心なゴール裏の方々も想像していなかったのではないでしょうか。

 

それにしてもヴェルディのサポーターは、点差が開いても大声で歌い続けていましたね。野津田の観客も増えてはいますが、味スタのそれは遙かに上をいっているようです。やはり歴史のある名門、潜在的に応援するひとは多いのでしょう。足が遠のいていたサポーターがJ1復帰を機にもどって来ているのかもしれません。

「東京クラシック」、その名に恥じないライバルになるための階段を、ゼルビアは一歩登ることができたように感じています。


【試合日5・19  1位 勝ち点32

【DAZN実況・野村明弘  解説・水沼貴史、鄭大世】


2024・5・20