この章から、なん章かを打ち明けるかは、とても悩みました。
隠していたら自分の過去にならない切り取りになってしまうと思い直して全てをオープンにします。

小5の時に、死ねないか試みたことがあります。
多分、週刊誌の自殺特集を読んだからだと思います。

誰もいないところを探していました。

そんな時に、誰も住んでいない国鉄官舎を見つけました。この官舎は庭付きの平屋建てで、なんけんかありました。
この場所は操車場の横にあって、隣り合った民家は無く、人の出入りは皆無。
普段から機関車を見に来ていたので、子供の私が出入りするのは特段怪しまれませんでした。
家からは比較的近くで、行動範囲を制約されていましたが許可範囲でした。

官舎の路上の突き当たりが線路で、最高のビューポイントでした。

操車場の反対側は、どぶがあってザリガニが沢山いて子供の遊び場でしたが、操車場の幅は広く貨車も止まっていて、官舎側を見通せません。
このどぶ側は行動許可外で、そちら行ったことが父にバレると殴られるため、友だちと遊ぶことはできませんでした。

少し前までは人も住んでいて、路地を歩いていると、住人がいて、挨拶したり、国鉄の人なので操車場の時刻表をもらったり、機関車に乗せてあげるよと言ってくれて、機関区長に掛け合ってもらいEF15やEF65に乗せてもらえました。
その時にもらった機関車取り付ける機関区名のプレートは宝物です。

その優しい人たちが住んでいた
すべての家がもぬけの殻となっていました。
玄関は鍵がかかっていましたが、裏に廻ると、雨戸が少し開いていました。おそるおそる雨戸を開いて中に入ると畳の部屋でキレイでした。
死ぬならここが良いと思いました。

次の日、家から青酸カリを持ち出しました。

家には父が仕事で使うとかで青酸カリがありました。父が殴りながら見せびらかし、これを飲ませれば、お前なんか口から泡を出しながら苦しませながら殺すことなんて簡単だと言い放ってました。

青酸カリと一緒に、母が編んでくれたお気に入りのカーディガンに白いブラウス、母親のストッキング、口紅を持って。

続きは②ー9になります。