美しい御二人 | 高橋有利恵*愛五行の和*言葉家歌連

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魂歴史ドラマ【五行大義】

これはフィクションです。



双子の魂のように~


頼朝さまと八重姫さまが出逢われた最初のころは、

何よりも、頼朝さまが一番大事にしておられた二つのお守りのお話で、いつも始まるのでした。


「これは私の初宮参りをした、石清水八幡宮のお守りです。
特別に、お守りに名前を縫い込んでもらっていて、

これを見ていると小さい時の途切れ途切れの記憶がよみがえる気がするのです。

こちらの小さな観音さまは、私が確か三つになった時、京の清水寺に、母に手をひかれてお参りした後、和尚さまから、

「この観音さまは見守り観音ですが、身守り観音でもあります。

いざという時にあなたさまのお命のお助けになりますから、
ご自分の体と思い、大事になされませ。」

あとから、そのように母上さまに何度も聞かされて、いつもいつも話かけておりました。」


八重姫さまも、人一倍、神仏に手をあわせるお方でしたから、

頼朝さまの嬉しそうなお顔をみながら、うんうんとうなずいて、微笑んでおられました。


そのご様子を、少し離れてみておられた安達盛長さまは、
なんと美しいお二人だろうと、いつも感じておられたのでございます。