歴史ドラマ【五行大義】
これはフィクションです。
頼朝さまが亡くなられて、初めて、見えてきたことが、たくさんあって…。
何故か、頼朝さまが生きておられる時は、感じることさえ出来なかったのに…。
だから、今度は頼朝さまの悲しみが解るように生まれてみて、
たくさんのことがあったけれど、最後は、他の女が生んだ子供を、嫁いだ家の三代目の後取りに、認めることが、こんなにも、苦しく、惨めで、悲しいなんて…。
でも…、でも…、夫のわたしへの愛が変わったわけでも、最後に、無くなったわけでもなかった。
女の私の実子にこだわるより、もっと大切な、家を永続することの大切さをやっと味わえた。
そして、死んでみたら、頼朝さまのご真意は、ただそのことだったと、やっと気づけた。
それなのに私は、嫉妬しかしなかった。
いつかの世で、頼朝さまに出会えたら、女性のわたしから、
そのことを伝えよう。
たとえどんな時代であろうとも、家の末長いことが、すべての源になるのだから。
子どもの命こそ、何よりの宝、何よりの未来だから。