国道439号線冬季閉鎖により予定を変更して進行している、四国本土の旅2日目は魚梁瀬(やなせ)という場所へ。

初徳島入り宿泊先の阿波池田からスタート。途中コンビニに寄った際に目に留まったのは

ご存命の某有名歌人を連想させるその名も"サラダ"。

カタカナ地名は、洒落っ気や漢字より柔らかい印象を持たせるため用いられますが、これはそうでもなさそう。他に"マチ・ヤマダ・トウゲ・ウヱマツ"などカタカナ地名は三次市合併以前の池田町エリアにのみに存在しますが、なぜカタカナなのかは謎です。

吉野川に沿う国道32号線沿いを高知へ向け走行中、特急しまんとの通過に興奮しながら、山の急斜面に点在する家屋も印象的。

景勝地で有名な大歩危・小歩危。今は高速道路で越えられますが、それ以前は四国山地のこの狭間を往来していたかと思うと…高知への道は遠く険しく…

石島(香川)岡村島(愛媛)さらに雲辺寺(徳島)と、マニアックな場所で初県踏を果たしてきましたが、残念ながら昨日の通行止により叶わず普通に国道で初高知県入り(涙)

本来の予定であった国道439号線(ヨサク)との交点。

根曳峠を越え高知平野への長い下り坂。そういえばこの峠付近にスイッチバックの駅があったことを思い出し、寄り道することにしました。

が、初日からスマホの不具合でLTE通信が常時圏外に加え、カーナビ非搭載のダブルパンチ。地図は携帯するも細かい部分がわかりません。公衆WiFiで情報収集のためいったん峠を降り、googleマップを用いルート検索。この後の全行程とホテルの場所を一気に検索！

そのスイッチバックの新改駅へは…なんと　ここまでの労力が道路崩壊により通行止。行けないとわかるとますます行きたくなります

新改駅は候補に入れといて、土佐山田(香美市)を通り、国道55号を安芸方面へ向かう途中の赤野休憩所。四国山地を抜けて感じる太平洋側の暖かさ。

今回の目的地"魚梁瀬"という場所。調べてわかったのはかつて森林鉄道が走っていたこと。国道55号を安田町から高知県道12号沿いに鉄道の遺構が残っていました。

急遽決めた目的地なので全く調べてなく、ダメ元で行ってみたらなんと…馬路村役場は大晦日にもかかわらず開庁していて森林鉄道に関するパンフレットをゲット感謝と年末にお疲れ様です。

魚梁瀬森林鉄道は安田町から高知県道12号沿いの安田川線と国道493号線沿いの奈半利川線という2つの本線といくつかの支線で構成されていたようです。馬路村にある五味隧道はレールも枕木も残されていて、今にも汽車がやってきそうです。

遺構の一部は道路に転用、車両通行可能な河口隧道。

トンネルをくぐった先の掘割とそれを跨ぐ立体交差。鉄道で使われていた雰囲気がよく残っています。

ということでいくつか残されている森林鉄道の遺構を見つけながら高知の奥地へ。渇水時出てくる早明浦ダムに次ぐ規模、ロックフィルダムの魚梁瀬ダム。

ダム湖が見える展望台より、魚梁瀬集落が見えてきました。ちなみにこの湖(貯水池)は北川村で、集落があるのは馬路村となります。

日本三大杉美林"魚梁瀬杉"の産地。かつて林業で発展した魚梁瀬の集落。ダムの建設に伴いもともとの集落は湖底に沈み、その代替地が区画されたここ湖の上流部。

数か所見て回った遺構をかつて走っていた車両(機関車)が動態保存され定期的に運行されているとのこと。残念ながら年末年始は休みで車庫の窓から保存されている機関車を覗いてみました。

大晦日とあって人が全然歩いていませんからね…。こんな小さい機関車がどんな風に走るのか見てみたいです。

高知県道54号魚梁瀬公園線の起点へ、年末に高知県の奥地へ到達した記念。この県道の標識を撮っているとき、とても満足ながらも初めての四国本土、初めての高知入りで桂浜ではなくここを選んでしまった自分は相当な変わり者だと思いました

このあとは森林鉄道の本線東側、国道493号線を通って宿泊先の高知へ。その途中にあった遺構の一部をピックアップ。道路に転用されてもなお現役であったり、周囲の景色に溶け込む造形美。末永く後世に残すことを考慮した当時の人々の気概を感じます。

高知へ向かう途中、ちょうどいい時間オレンジ色に染まるここは大山岬というところ。ここで車を停めて、

2018年最後の、平成最後の大晦日の日没をここ高知県で拝みました。この年も平穏に過ごせたことを感謝しながら…

高知市内へ。交差点標識にはなぜかアルファベット"Ｖ"の暗号が。何を意味するのかわかりません。

LTE通信もナビも使えない中、なんとか到達したビジネスホテルは内装がレトロ。けどこういう雰囲気がとても落ち着きます。

内容はともかく大晦日のイベントと楽しみにしていたのが…食事のあと缶ビール1本開けマリーゴールを認識してからしばらく爆睡　松任谷由実の歌で目が覚めるもウトウトしながら蛍の光と鐘の音で2018年が終わりました。

(2018年12月31日)