年金受給資格10年へ 無年金者の救済策 | 浦野英樹オフィシャルブログ Powered by Ameba

年金受給資格10年へ 無年金者の救済策

厚生労働省は、社会保障と税の一体改革で、基礎年金の受給資格期間を現行の25年から10年に短縮することに伴い、加入期間が短いことが原因の無年金者の救済策をまとめ、2月6日の社会保障審議会年金部会に提示した。


内容としては、10年以上保険料を納付していれば、25年に満たなくても納付期間に応じて年金を受給できるというもの。実現すれば、約42万人の無年金者(65歳以上)のうち、約4割に年金が支給されることになる見込み。ちなみに、保険料を10年納付していた場合、年金額は月額1万6433円。(平成23年度)


私も、年金相談の中で、受給資格期間が25年にあとちょっと足りず無年金というケースを何度か見てきたが、現状では何の救済策もなく、正直、相談を受けていて、もっとも気の毒と感じるケースのひとつである。


たしかに、未納期間は多いかもしれないが、話を聞くと、独立して自営でやっていたが、事業がうまくいかず、生活が厳しくて払えなかったとか、免除制度があることを知らなかった というような場合が多い。


今でこそ、選挙の都度、年金が大きな争点となり、それなりに制度も周知され(それでもまだ理解できないという人は多いが…)、また免除や猶予の制度も充実してきたが、一昔前は、「制度を知らないことによる未納」というケースは多い。期間を短縮すると、保険料を払わなくなるのでは という意見もあるが、個人的には、過去の周知・制度の不備の救済を優先すべき だと感じる。


ちなみに10年納付の場合、払った保険料は平成23年度の水準で換算すると、累計約180万円。24年納付だと、432万円。国が定めた期間には足りないのかもしれないが、これだけの保険料が「掛け捨て」になってしまう制度というのは酷だ。


1日も早い、救済策の実現を望むものである。